高齢自殺者の4人に1人が事前に予告


また、高齢になるほど打ち明ける自殺者の割合が高まることも分かったという。この研究結果は「American Journal of Preventive Medicine」10月3日オンライン版に掲載された。
この研究は、米テキサス大学オースティン校老年学部長のNamkee Choi氏らが実施したもの。
2005~2014年に発生した傷害死のデータを分析した結果、50歳以上の自殺者の23.4%が自殺前にその意思を周囲に打ち明けていたことが分かった。
また、ロジスティック回帰分析の結果、抑うつや健康上の問題を抱えている人では、自殺する前に誰かにその意思を打ち明ける確率が高いことが示された〔調整後オッズ比(OR)はそれぞれ1.57、1.56〕。
さらに、50歳以上59歳以下の自殺者と比べ、70歳以上79歳以下および80歳以上の自殺者は、自殺する前にその意思を打ち明ける可能性が高いことが示された(調整後ORはそれぞれ1.13、1.28)。
60歳代、70歳代、80歳以上のいずれの年齢層においても、健康問題があると自殺の意思を事前に打ち明ける確率が高まることも分かった。

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このほか、メンタルヘルス関連のケアや薬物またはアルコール乱用の治療を最近受けていた人も、自殺する前に誰かにその意思を打ち明ける確率が高いことも明らかになった。
一方、銃による自殺者および縊死や窒息による自殺者は意思を打ち明ける可能性が低かった。
自殺前にその意思を打ち明けた相手として最も多かったのは、パートナーまたはそれ以外の家族だった。
Choi氏は「自殺したいという意思を事前に誰かに打ち明けているということは、自殺を予防するチャンスがあるということだ。
医師や周囲の人は、自殺リスクの高い人を見つけ出し、支援できるようにしておく必要がある。
抑うつや健康上の問題などがあると、事前に打ち明ける確率が高いことが分かったため、これらの問題に対して必要なサービスを提供することで自殺を予防できる可能性がある」と指摘している。

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