• 禁煙成功には“自信”が重要? 働く世代対象の禁煙支援研究

     禁煙支援では、ニコチン依存の強さが禁煙成功に影響するとされているが、本人の「禁煙できる」という自信も重要かもしれない。今回、日本の企業向け禁煙プログラム参加者を対象とした研究で、禁煙への自信の高さが、加熱式たばこ利用者を含め禁煙成功と関連する可能性が示された。研究は北里大学大学院医療系研究科の吉原翔太氏らによるもので、詳細は5月19日付の「Journal of Medical Internet Research(JMIR)」に掲載された。

     スマートフォンアプリやニコチンガム・パッチを用いた禁煙支援が広がる中、禁煙成功に関わる要因への関心が高まっている。ニコチン依存度に加え、「禁煙できる」という心理的要因の重要性も指摘されているが、加熱式たばこ利用者を含めた検討は限られていた。こうした背景から、著者らは企業向け禁煙プログラム参加者を対象に、ニコチン依存度や禁煙への自信と禁煙成功との関連を検討した。

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     著者らは、日本の38社で実施された企業向け禁煙プログラムに参加した労働者のデータを用いて研究を行った。この禁煙プログラムでは、12週間、デジタル・ピアサポートアプリ「みんチャレ」(A10Lab Inc.)と、参加者の喫煙量に応じて提供量を調整したニコチンガム・ニコチンパッチを併用した。アプリでは匿名グループチャットを通じ、参加者同士が禁煙の進捗や写真、コメントなどを共有した。ニコチン依存度は起床後最初の喫煙までの時間で評価(30分以内を高依存、30分超を低依存と定義)し、禁煙への自信は0~10点で評価(中央値を基準に高低2群に分類)した。解析では、紙巻きたばこ利用者、加熱式たばこ利用者、両者の併用者ごとに、ニコチン依存度や禁煙への自信と禁煙成功との関連を検討した。禁煙成功は、4週間以上の禁煙継続と定義した。

     解析対象は2,143人で、平均年齢は46.5歳、約90%が男性だった。全体の禁煙成功率は53.8%だった。禁煙成功群では、禁煙への自信が高い傾向を示したほか、アプリ投稿頻度やグループメンバーからの承認数も多かった。

     禁煙への自信が高い参加者では、禁煙成功率は63.4%で、自信が低い参加者の47.6%を上回った。自信が低い群と比べた禁煙成功の調整オッズ比(OR)は1.81(95%信頼区間〔CI〕 1.55~2.12)だった。この関連は、紙巻きたばこ利用者、加熱式たばこ利用者、併用者のいずれでも認められた。一方、ニコチン依存度と禁煙成功との有意な関連が認められたのは紙巻きたばこ利用者のみだった。

     また、紙巻きたばこ、加熱式たばこ、併用のいずれでも、「ニコチン依存度が低く、禁煙への自信が高い群」で最も禁煙成功率が高かった。さらに、ニコチン依存度が高くても、禁煙への自信が高い群では高い禁煙成功率がみられた。

     著者らは、たばこの種類を問わず、禁煙への自信の高さが、禁煙成功と関連する重要な要因である可能性が示唆されたとしている。

     なお、著者らは、本研究の限界点として、禁煙成功を自己申告で評価しており客観的検証を行っていないことに加え、対象の大半が日本の大企業に勤務する男性だったため、結果の一般化には注意が必要と述べている。

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    HealthDay News 2026年6月22日
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  • デジタルピアサポートアプリがニコチンガムの禁煙効果を後押し

     ニコチンガムは禁煙に一定の効果を示すものの、その禁煙成功率は十分とは言えない。今回、企業の健康保険組合加入者を対象とした非ランダム化比較試験で、ニコチンガムにデジタルピアサポートアプリを組み合わせることで、禁煙成功率が有意に向上することが示された。研究は、北里大学大学院医療系研究科の吉原翔太氏らによるもので、詳細は「JMIR mHealth and uHealth」に8月19日掲載された。

     日本では禁煙治療が保険適用だが、禁煙成功率は高いとは言い難い。平成29年度の厚生労働省の調査によると、ニコチン依存症管理料を算定した患者における5回の禁煙治療完了率は全体で34.6%にとどまっていると報告されている。一方で、グループでの交流を促進し、ユーザー同士で禁煙へのモチベーションを高めるデジタルピアサポートアプリは禁煙に有益である可能性がある。しかしながら、デジタルピアサポートアプリとニコチン代替療法(ニコチンガム)を統合した禁煙プログラム効果は、これまで検討されてこなかった。このような背景から、著者らはニコチン代替療法(ニコチンガム)にデジタルピアサポートアプリを追加することで、企業の健康保険組合加入者で現喫煙者の禁煙率を高めることができるかどうかを評価するために、12週間の非ランダム化比較試験を実施した。

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     参加者は、健康保険組合に加入する3社(電子・保険・通信)の現喫煙者を、プログラム開始約1か月前から20日間募集した。介入期間中はデジタルピアサポートアプリ(みんチャレ、A10 Lab Inc.)に常時アクセス可能であった。このアプリでは、最大5人までの匿名グループチャットが可能で、写真やコメントを含む活動報告を共有することで交流や禁煙の取り組みを促した。参加者は自己選択で、(1)ニコチンガム単独(単独群)、または(2)デジタルピアサポートアプリとニコチンガムの併用(併用群)の2つの介入群のいずれかを選択した。単独群を基準とした禁煙のオッズ比(OR)は、人口統計学的および喫煙関連変数を調整したロジスティック回帰分析により推定した。

     最終的な解析対象は451人(単独群191人、併用群260人)であった。単独群と比較して、併用群は平均年齢が高く、喫煙歴が長い傾向がみられ、また禁煙の主な動機として「家族の健康」を挙げる割合が高かった。

     12週間時点での禁煙成功率は、単独群38.7%に対し併用群59.2%で有意に高かった。また、年齢、性別、喫煙歴、喫煙本数、禁煙の目的や意欲といった変数を調整し、ロジスティック回帰分析を行った結果、禁煙成功のORは2.41(95%信頼区間2.07~2.81)であった。

     さらに、禁煙成功率とデジタルピアサポートアプリの使用期間およびグループチャットへの投稿頻度との関連を検討した。解析の結果、アプリの使用期間が長いほど、また投稿頻度が高いほど禁煙成功率は有意に高く、いずれも正の関連が認められた(傾向性P<0.001)。

     著者らは、本研究が自己申告データに依存している点などの限界を認めつつも、「標準的なニコチン代替療法に加えてデジタルピアサポートアプリを併用した現喫煙者では、禁煙率が有意に上昇することが確認された。この知見は、禁煙介入におけるデジタルツールの実装可能性を示す予備的エビデンスである」と述べている。

     なお、禁煙成功率とデジタルピアサポートアプリの使用期間・投稿頻度に正の関連が見られた理由について、著者らは、アプリをより積極的に利用し、頻繁に投稿した人は、チャット機能を通じて自身の成功体験を共有したり、周囲から承認やポジティブなフィードバックを得たりする機会が増えたことが影響しているのではないかと考察している。

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    HealthDay News 2025年9月29日
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  • デジタルピアサポート型禁煙プログラム、紙巻と加熱式で成功率に差

     紙巻たばこと加熱式たばこ(heated tobacco products: HTP)、どちらが禁煙に成功しやすいか?日本の職場で実施されたデジタルピアサポート型禁煙プログラムにおいて、HTP使用者は紙巻たばこ喫煙者より高い禁煙成功率を示すことが明らかになった。小グループでのサポートとスマートフォンアプリを組み合わせた介入が効果を後押ししたと考えられる。研究は北里大学大学院医療系研究科の吉原翔太氏らによるもので、詳細は「Journal of Medical Internet Research(JMIR)」に8月5日掲載された。

     日本ではニコチン依存症者向けの外来禁煙プログラムが提供され、2020年からはHTP使用者も保険適用となった。このプログラムはニコチン代替療法と医師による面接や遠隔診療を組み合わせるが、完遂率は低い。一方、スマートフォンアプリなどのデジタル療法は禁煙支援に有効で、個別型アプリではHTP使用者が紙巻たばこ喫煙者より高い成功率を示すとの報告がある。さらにメタ解析では、仲間を取り入れたグループ型介入が禁煙成功率を高めることが示されている。しかし、ピアサポートを取り入れたグループ型アプリに関する研究は乏しく、タバコ製品の種類による効果差は明らかになっていない。このような背景から、著者らはニコチン代替療法とデジタルピアサポートアプリを組み合わせたグループ型禁煙プログラムに参加した現喫煙者を、使用しているたばこの種類別で分類し、禁煙成功率を比較する前向き研究を実施した。

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     研究は2023年6月~9月(12週間)にかけて行われ、参加者は国内の4つの企業よりリクルートされた。参加者は、禁煙プログラムに登録し、ニコチン代替療法(ニコチンパッチまたはガム)を無料で提供され、デジタルピアサポートアプリ(「みんチャレ」、A10 Lab Inc.)を併用した。このアプリでは、最大5人までの匿名グループチャットが可能で、写真やコメントを含む活動報告を共有することで交流や禁煙の取り組みを促した。参加者は紙巻たばこのみの喫煙者、HTPのみ使用者、併用(紙巻たばこ及びHTP)の3群に分類された。禁煙成功率の比較にはロジスティック回帰分析を用い、紙巻たばこのみの喫煙者を基準群としたオッズ比(OR)および95%信頼区間(CI)が算出された。

     最終解析には435人が含まれ、内訳は紙巻37.5%、HTP 50.1%、併用 12.4%であった。参加者の平均年齢は46.6歳で、男性が大多数を占め(95.6%)、喫煙歴20年以上の者が68.1%を占めた。また、HTP使用者は、紙巻たばこ喫煙者と比べて喫煙歴が短く、禁煙補助薬の使用経験も少なかった。

     禁煙成功率は、HTPのみ使用者で紙巻たばこのみ喫煙者よりも有意に高かった(63.3% vs 52.8%、調整OR 1.84、95% CI 1.57~2.16)。一方、併用者は紙巻たばこのみ喫煙者よりも成功率が低かったが、その差は統計学的に有意ではなかった(48.1% vs 52.8%、調整OR 0.96、95% CI 0.79~1.16)。

     本研究について著者らは、「デジタルピアサポートアプリを用いたグループ型禁煙プログラムでは、HTPのみ使用者は紙巻たばこのみの喫煙者よりも高い禁煙成功率を示した。しかし、併用者は有意な差は認められなかった。これらの結果は、職場における禁煙プログラムにおいて、使用するたばこの種類を考慮することの重要性を示している」と述べている。

     なお、著者らは、この研究結果をもって禁煙戦略として紙巻たばこからHTPへの切り替えを推奨するものではないと強調している。

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    肺がんは初期の自覚症状が少ないからこそ、セルフチェックで早めにリスクを確かめておくことが大切です。セルフチェックリストを使って、肺がんにかかりやすい環境や生活習慣のチェック、症状のチェックをしていきましょう。

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    参考情報:リンク先
    HealthDay News 2025年9月16日
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