• 介護保険による住宅改修の実情――視覚・認知機能障害へのサポートが不足

     介護保険の住宅改修費給付制度の利用状況を調査した結果が報告された。医療経済研究・社会保険福祉協会医療経済研究機構の土屋瑠見子氏らの研究によるもの。認知機能障害や視覚障害による要支援者は、他の理由による要支援者よりも、住宅改修を行う割合が有意に低いことなどが明らかになった。詳細は、「BMC Geriatrics」に5月20日掲載された。

     何らかの機能障害がある場合、その障害のタイプや程度に応じて住宅改修を行うことにより、転倒などによる受傷リスクが低下し生活の質(QOL)が維持され、死亡リスクが低下することが報告されている。介護保険制度でも、要支援・要介護認定を受けた場合には、住宅改修コストの1~3割、最大20万円まで助成され、手すりの設置、段差解消、便器の取替えなどが可能だ。土屋氏らは、この制度の利用状況と、障害のタイプ、性別、世帯収入などとの関連を詳細に検討した。

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     解析には、首都圏にある人口約49万人の都市の2010~2017年度の介護保険関連データを用い、要支援認定を受けた人の住宅改修状況を調べた。前記期間に要支援認定を受けた1万1,229人から、転居者や解析に必要なデータの欠落者などを除外した1万372人を解析対象とした。なお、この都市の高齢化率は27.4%で、調査実施時点の全国平均(28.1%)とほぼ一致している。

     解析対象者のうち、要支援認定の翌年までに住宅改修の助成を申請したのは15.6%であり、認定から申請までの期間は平均4.0±2.7カ月、最頻値は2カ月(改修した人の26.8%)だった。6.2%の人は改修を2回行っていた。助成額は大半が17万5,000~18万7,500円(自治体支払い分)の範囲だった。

     要支援1と2を比較すると後者、性別では女性の方が住宅改修の実施割合が高く、生活保護受給者は改修実施割合が低かった。機能障害のタイプ別に見ると、下肢障害やバランス障害による要支援者は改修実施割合が高く、認知機能障害や視覚障害による要支援者は実施割合が低かった。多変量ロジスティック回帰分析により、住宅改修実施割合に有意な関連の認められた因子は以下の通り。

     まず、調整オッズ比(aOR)が有意に高い因子として、女性〔男性に対してaOR1.182(95%信頼区間1.026~1.361)〕、下肢障害〔aOR1.290(同1.148~1.449)〕、バランス障害〔何らかのサポートにより立位保持可能でaOR1.724(1.429~2.080)、立位保持不能でaOR2.176(1.608~2.945)〕などが抽出された。

     反対に、調整オッズ比の有意に低い因子は、認知機能障害〔認知症高齢者の日常生活自立度のランクIでaOR0.774(0.690~0.868)、IIa以上でaOR0.553(0.434~0.704)〕、視覚障害〔aOR0.861(0.741~0.999)〕、生活保護受給〔aOR0.147(0.092~0.235)〕で認められた。なお、聴覚障害や上肢障害では、有意なオッズ比の上昇や低下は見られなかった。

     このほか、住宅改修コストについても、視覚障害による改修では中央値12万5,304円に対して、視覚障害以外による改修では13万8,047円で前者の方が有意に低いことなどが分かった(P=0.018)。

     これらの結果をもとに論文では、「認知機能や視機能に障害のある高齢者の住宅改修実施割合が相対的に低いことが明らかになった」と結論付けられている。著者によると、例えば温度の上限設定が可能な給湯システムへの改修によって認知機能障害のある要支援者の熱傷を防いだり、屋内の危険な箇所の素材変更や照明の設置により視覚障害者の受傷を防ぐことが可能という。ただし、これらの改修コストは、現時点では給付対象にならないことから、論文では「政策立案者は、給付制度の改善を検討する必要があるのではないか」とも述べられている。

     なお、生活保護受給者の住宅改修割合が低い理由としては、「その88.1%が賃貸住宅に居住しているため、必要があっても改修できないケースがあると考えられる」との考察を加えている。

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    HealthDay News 2022年6月27日
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  • 体重が実際より重いと思っている人は筋量で評価したサルコペニアに該当する可能性が高い――大阪府摂津市での研究

    サルコペニアとは筋量や筋力が低下し、疾患や要介護のリスクが高い状態である。自分の体重が実測値よりも重いと思っている人はサルコペニアの診断基準の1つである低筋量に該当する可能性が高いことを示す研究結果が報告された。医薬基盤・健康・栄養研究所 身体活動研究部の中潟崇氏らの研究によるもので、詳細は「Journal of Physiological Anthropology」に5月5日掲載された。

    体重の自己認識の誤り(実際より軽い、または重いとの誤解)が、さまざまな疾患のリスクと関連していることが報告されている。ただし、自己認識の誤りと筋量との関連はまだ報告がないため、中潟氏らは大阪府摂津市の地域住民を対象とした、大阪府との共同事業「大阪府健康格差の解決プログラム促進事業」で得られた研究データを解析し、この点を検討した。

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    研究参加者は、40~91歳の成人525人(年齢の中央値72歳、83%が女性、平均BMIは22.5)であり、同市の広報誌などを通じて募集された。指標として、「サルコペニア」の診断基準の1つである「腕と脚の筋量を身長の2乗で除した骨格筋指数(SMI)」を用いた。アジア人のサルコペニアの診断でのSMIの基準値は、男性7.0未満、女性5.7未満(生体電気インピーダンス法による)で、本研究の参加者の該当者割合は9.3%だった。

    研究参加者に、まず自分の体重を0.1kg単位で申告してもらい、その後に体重を測定。自己申告の体重から実測値を減算して誤差を割り出し、その誤差の幅を実測値に対する比率として評価した。例えば、自己申告が65.0kgで実際の体重が66.0kgの場合、〔-1.0÷66.0×100=-0.51〕で、誤差は-0.51%。

    参加者全体の誤差は、中央値0.9%(四分位範囲-0.3~2.0)だった。体重の過小評価から過大評価の幅で男女ごとに3群に分類すると、過小評価群は中央値-0.8%(過小評価)、中央群は同0.9%(過大評価)、過大評価群は2.4%(過大評価)だった。平均BMIは同順に、23.5、22.3、21.6で、自分の体重を過大評価している群は、実際のBMIが低い傾向だった。

    SMIがサルコペニア基準値未満の割合は、全体では前述のように9.3%であり、これを3群別に見ると、過小評価群から順に、4.6%、6.8%、16.6%となった。つまり、自分の体重が実際よりも重いと思っている人ほど、低筋量に該当する割合が高かった。

    次に、年齢、性別、BMI、喫煙・飲酒・運動習慣、自己申告に基づく体力・健康度・社会経済的状況の影響を調整し、中央群を基準として、SMIがサルコペニア基準値未満に該当するオッズ比を計算。結果、過大評価群はオッズ比2.37(95%信頼区間1.03~5.44)とオッズ比が統計的に有意に高かった。過小評価群はオッズ比0.97(同0.34~2.86)で、中央群と有意差は見られなかった。

    以上より、自分の体重が実際よりも重いと思っている40歳以上の日本人は、サルコペニアの診断基準の1つである低筋量に該当するオッズ比が2.37倍高いことが明らかになった。著者らは、「われわれの研究結果は、人々が自分自身の体重を正しく認識することへの働きかけが、公衆衛生上の重要な戦略である可能性を示唆している」と結論付けている。

    なお、体重の過大評価が低筋量に該当する可能性が高いことの理由として、著者らは「横断研究のためこれらの因果関係は不明であるが、体重を過大申告する人はBMIが低い傾向にあり、このことはエネルギー摂取量がエネルギー必要量を下回っている可能性があること、また、体重測定をあまり行わない人ほど誤差が大きくなることなどの影響があるのではないかと考察している。

    医薬基盤・健康・栄養研究所は、医薬基盤研究所(大阪府茨木市)と国立健康・栄養研究所(東京都新宿区)が平成27年に統合されて国立研究開発法人としてスタートを切り、今年度中に著者らの所属する国立健康・栄養研究所が現在の東京から本研究が行われた大阪府摂津市に移転予定。中潟氏らは健康な日本人を対象とした腸内細菌叢に関する研究も展開しており、「移転後の北大阪健康医療都市(健都)からも、日本人の健康寿命延伸に資するエビデンスを発信していきたい」と述べている。

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    治験・臨床試験は新しいお薬の開発に欠かせません。治験や疾患啓発の活動を通じてより多くの方に治験の理解を深めて頂く事を目指しています。治験について知る事で治験がより身近なものになるはずです。

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    参考情報:リンク先大阪府/働く世代からのフレイル予防動画国立健康・栄養研究所/腸内細菌叢データベース
    HealthDay News 2022年6月13日
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  • 緑茶がフレイルを抑制する?――亀岡スタディ

     緑茶の摂取頻度が高い人はフレイルリスクが低いという関連を示す報告が「Nutrients」に11月19日掲載された。京都府亀岡市で行われている「亀岡スタディ」のデータを、国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所の南里妃名子氏らが解析したもの。

     フレイルとは、さまざまなストレスへの耐性が低下した「要介護予備群」の状態のこと。意図しない体重減少などが生じ、死亡リスクの上昇とも関連することが報告されている。これまでの研究で、抗酸化作用を持つ栄養素を含む食品の摂取量が多いほどフレイルリスクが低いことが示唆されている。緑茶にはカテキンなどの抗酸化作用物質が豊富に含まれており、フレイルリスクを抑制する可能性があるが、そのエビデンスは明らかではなかった。

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     南里氏らが解析に用いた亀岡スタディは、介護予防の推進と検証を目的に、同市に居住する65歳以上の高齢者を対象として2011年にスタートした前向きコホート研究である。要支援・介護認定を受けている人やフレイル評価が欠落していた人を除外し、5,668人(男性48.8%)の登録時データを横断的に解析した。なお、フレイルは、厚生労働省の基本チェックリストで25点中7点以上の場合と定義。また、緑茶の摂取頻度は、アンケートの回答を基に、「ほとんど飲まない」、「1日1杯未満」、「1日1~2杯」、「1日3杯以上」に分類した。

     まず、緑茶の摂取頻度と関連のある因子を検討すると、性別を問わず、緑茶摂取頻度が高い群は、より高齢で、エネルギー摂取量が多く、果物や野菜の摂取頻度も高く、現喫煙者は少なく、またコーヒーの摂取頻度が高い傾向が見られた。ただしBMIと飲酒習慣との関連は見られなかった。

     フレイルの有病率は男性29.3%、女性30.6%だった。フレイルリスクに影響を与え得る因子(年齢、BMI、摂取エネルギー量、喫煙・飲酒習慣、コーヒー摂取量など)を調整後、男女ともに緑茶摂取頻度が高いほどフレイル有病率が有意に低くなる傾向がみられた(傾向性P値が男性は0.02、女性は<0.01)。また、男性では「ほとんど飲まない」を基準としたとき、1日3杯以上飲む群でオッズ比(OR)の有意な低下が認められた〔OR0.71(95%信頼区間0.54~0.94)〕。さらに女性では、全ての群でオッズ比が有意に低かった。

     これらの関連について、年齢(75歳未満/以上)で層別化して解析すると、男性では有意な交互作用が観察され、75歳以上でのみ関連が見られた(交互作用P=0.01)。一方、女性では年齢と緑茶摂取との間に有意な交互作用は認められず、年齢に関係なく緑茶摂取頻度とフレイルとの間に有意な負の関連が認められた(交互作用P=0.15)。

     次に、基本チェックリストの下位尺度と緑茶摂取頻度との関連を検討すると、男性では、認知機能や口腔機能との負の関連が認められた(いずれも傾向性P=0.02)。女性では、認知機能や口腔機能だけでなく、手段的日常生活動作(IADL)も緑茶摂取頻度と負の関連が認められ(いずれも傾向性P<0.01)、さらに運動機能との有意な負の関連も認められた(傾向性P=0.01)。

     これらの結果から著者らは、「緑茶の摂取頻度が高いほど、フレイル有病率が低くなる傾向があることが確認された」と結論付け、「縦断研究による因果関係の確認が求められる」と述べている。なお、全体的に男性よりも女性において、低い緑茶摂取頻度でもフレイル有病率が低下する傾向が認められたことに関して、「女性は閉経後、女性ホルモンの分泌低下とともに全身の慢性炎症傾向が強まり、体タンパクの異化が亢進することが報告されている。そのため、緑茶に多く含まれる栄養素の抗酸化作用がもつ生物学的利用能がより効率的に働くことで、フレイル発症に対して効果をもたらすのではないか」との考察を加えている。

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    HealthDay News 2022年1月17日
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  • 閉経年齢や妊娠回数がADL制限と有意に関連――JPHC研究

     女性の閉経年齢や妊娠回数などと日常生活動作(ADL)制限との関連を調査した研究結果が報告された。閉経の時期が標準的な50~54歳の人に比べて、早い場合も遅い場合も、その後にADLが低下していることが多いと分かった。国立がん研究センターなどによる多目的コホート研究(JPHC研究)によるもので、詳細は「The Journal of Obstetrics and Gynaecology Research」に9月5日掲載された。

     ADL(Activities of Daily Living)とは、日常生活を送るために最低限必要な動作のことで、ADLに制限がある状態は要介護につながりやすく、死亡リスクも上昇することが報告されている。これまでの研究から、閉経などによって女性ホルモン(エストロゲン)の分泌量が低下すると、骨粗鬆症が起きやすくなり、さらには身体機能の低下にもつながることが示唆されている。ただしADLとの関連は十分に調査されていなかった。

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     今回発表された研究の対象は、1990年と1993年に、岩手県二戸、長野県佐久、茨城県水戸、東京都葛飾区、大阪府吹田、高知県中央東、長崎県上五島、沖縄県宮古など11の保健所管内に居住していた40~69歳の女性のうち、調査開始時と10年後(2000~2004年)のアンケートに回答した3万9,248人。2回のアンケート結果に基づいて、女性関連要因(初潮年齢、月経周期、月経規則性、妊娠・出産経験と回数、初回妊娠・出産年齢、授乳経験、閉経の有無と閉経年齢、女性ホルモン剤服用の有無)とADL制限との関連を解析した。

     ADLについては、アンケートの回答内容から、「屋内での生活はおおむね自分でできるが、介助なしには外出しない」に該当する、またはそれより低いレベルに該当する場合は「ADL制限あり」と判定し、それら以外を「ADL制限なし」と判定した。その結果、ADL制限ありの該当者は592人(平均年齢68.3±7.6歳)、ADL制限なしの該当者は3万8,656人(61.1±7.7歳)だった。

     ADLに影響を及ぼし得る因子(年齢、BMI、喫煙・飲酒・運動習慣、地域、がん・循環器疾患・脳血管疾患の既往、閉経年齢、調査開始時点での月経周期規則性)を統計学的に調整後、閉経年齢が標準的な50~54歳だった群に比較し、40~44歳と早く閉経していた群は、ADL制限ありに該当するオッズ比(OR)が1.44(95%信頼区間1.09~1.90)だった。一方で、55~60歳と遅くに閉経していた群もOR1.55(同1.09~2.18)であって、閉経が早くても遅くてもADL制限に該当する確率が有意に高いことが分かった。閉経年齢が45~49歳の群は50~54歳の群と有意差がなかった。

     妊娠回数に関しては、回数が多いほどADL制限に該当する確率が低い傾向が見られた(傾向性P=0.052)。妊娠回数0回に対して、2回および3回ではOR0.51と、リスクがほぼ半分であり、4回ではOR0.63だった(いずれもP<0.05)。妊娠回数1回ではOR0.71で、妊娠回数0回の群と有意差がなかった。

     その他の女性関連要因はADL制限との関連が見られなかった。

     これらの結果について研究グループでは、「閉経年齢が早い人と遅い人の双方で、ADL制限のリスクが高いという結果が得られた。早期閉経は心疾患などのリスクが高まること、および、閉経年齢が早くエストロゲンに曝される期間が短いと身体機能低下のリスクが高いことが、ADL制限につながった可能性が考えられる」と述べている。また閉経年齢が遅いことによるADL制限リスクの上昇については、「閉経後のエストロゲンレベルが高い方がフレイル(加齢などに伴い心身が弱くなる状態)のリスクが高いという報告がある。しかし、今回の調査では把握されていない、ADL制限につながるほかの要因が存在する可能性もある」として、今後のさらなる研究の必要性を指摘している。

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    更年期のセルフチェック。高齢女性の更年期の時期にすべての人がなるわけではありませんが「更年期障害」を及ぼすときもあります。どういったことが該当し、どういったことに気を付けてチェック項目をご紹介しています。

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    HealthDay News 2021年11月8日
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  • サルコペニア予防に筋トレ+必須アミノ酸+茶カテキンを

     高齢者のサルコペニアの予防に筋力トレーニングが推奨されているが、必須アミノ酸と茶カテキンの摂取を追加すると、より大きなメリットを得られる可能性を示唆するデータが報告された。骨格筋量の増大に加えてバランス力も向上できる可能性が示唆されたという。徳島大学先端酵素学研究所の森博康氏らの研究によるもので、詳細は「Asia Pacific Journal of Clinical Nutrition」6月号に掲載された。

     加齢や疾患などで筋肉量減少や筋力低下が生じる「サルコペニア」は、要介護状態につながりやすく、効果的な予防・改善策の模索が続けられている。これまでのところ、筋力トレーニングに一定の効果があることが示されているが、栄養介入の有効性を示すエビデンスは十分でない。

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     こうした中、体内で作ることができないために食事からの摂取が欠かせない必須アミノ酸、特に筋タンパク質の合成を促すロイシンの重要性を示す報告が増えている。また、緑茶の渋みの成分である茶カテキンは、ミトコンドリアの機能を高めて加齢による筋委縮を抑制することが動物実験で示されている。ただし、ヒトを対象とした研究は少なく、これらの摂取によって高齢者のサルコペニアを予防し得るかは明らかでない。森氏らは一般高齢者を対象とする研究により、筋力トレーニングに加えて必須アミノ酸や茶カテキンを摂取した場合の有効性を検討した。

     研究の対象は、兵庫県在住の高齢者から募集された、サルコペニアや糖尿病、慢性腎臓病でない84人。無作為に以下の3群に分け、非盲検下で24週間介入し、筋肉量や筋力、バランス力、生活の質(QOL)などの変化を検討した。

     筋力トレーニング群(Ex群)は、1回1時間の筋力トレーニング指導を週に2回実施した。他の2群にもこの筋力トレーニングを指導した上で、必須アミノ酸群(Ex+AA群)はロイシンが高配合された必須アミノ酸試験食を、トレーニング終了後30分以内に摂取してもらった。さらに残りの1群(Ex+AA+TC群)には、高濃度茶カテキン試験食も同時に摂取してもらった。

     ベースラインにおいて3群間で、年齢、男女比、BMI、ふくらはぎ周囲長、栄養状態(MNA-SFスコア)、1日の歩数に有意差はなかった。また、介入期間中は、筋肉量や筋力に影響を及ぼし得るタンパク質の摂取量が、全群とも1.2g/kg/日以上となるように管理栄養士による食事管理が行われた。ベースライン時および介入終了時の食事調査の結果、摂取エネルギー量およびタンパク質摂取量に、有意な群間差は認められなかった。

     24週間の介入によって、ベースライン時から以下の有意な変化が認められた。

     まず、筋力トレーニングのみを行ったEx群では、握力(P=0.007)、膝伸展力(P=0.017)、歩行速度(P=0.012)、および身体的QOL(P=0.016)が有意に向上していた。

     必須アミノ酸摂取を追加したEx+AA群ではEx群と同様、握力(P=0.019)、膝伸展力(P=0.020)、歩行速度(P=0.002)、身体的QOL(P=0.041)が有意に向上し、さらに四肢の筋肉量を表す筋骨格指数(SMI)も有意に向上していた(P=0.014)。

     茶カテキン摂取も追加したEx+AA+TC群では、Ex+AA群と同様、握力(P=0.038)、膝伸展力(P=0.013)、歩行速度(P=0.008)、身体的QOL(P=0.020)、SMI(P=0.004)が有意に向上し、さらにバランス力を表す片足立ち持続時間も有意に伸びていた(P=0.045)。しかし、介入後のSMI、握力、膝伸展力、歩行速度、バランス力、身体的QOLの変化率をEx群、Ex+AA群、Ex+AA+TC群で比較検討したが、3群間で有意な差を認めなかった。

     精神的QOLについては3群とも有意な変化が見られなかった。

     著者らは、「健常な高齢者を対象に筋力トレーニング後の必須アミノ酸や茶カテキン摂取による、サルコペニア予防における上乗せ効果を検証した。特に、茶カテキン摂取は、バランス力の向上に寄与できる可能性が示唆された。一方、筋力トレーニングのみではSMIの有意な上昇は見られなかった」と結論付けている。なお、国内で市販されている緑茶飲料の茶カテキン含有量は、1杯(120mL)当たり約80mgとのことだ。本研究で使用された高濃度茶カテキン試験食には、市販の緑茶飲料の6~7倍の茶カテキンが含有されている。

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    HealthDay News 2021年8月23日
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  • 趣味やスポーツ・就労で介護コストが13~25%減少

     高齢者が趣味やスポーツを行ったり仕事を継続した場合、介護コストを大きく削減できる可能性を示す研究結果が報告された。日本福祉大学社会福祉学部の斉藤雅茂氏らが行った、国内12市町村の高齢者を6年間前向きに追跡したコホート研究の結果であり、「International Journal of Environmental Research and Public Health」に5月19日、論文が掲載された。

     この研究の対象は、2010年8月~2011年12月に日本老年学的評価研究(JAGES)の調査に協力した65歳以上の高齢者のうち、要介護認定を受けていない5万1,302人。この人たちを2010年8月から2016年11月まで約6年間追跡。転居により追跡不能となった人などを除外して、4万6,616人を解析の対象とした。このうち4,350人(11.8%)が追跡期間中に死亡し、7,348人(15.8%)が新たに介護保険の利用を開始していた。

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     介護保険の利用点数から介護コストを算出し、研究参加時に行った質問紙による調査に基づいて、社会活動(趣味、スポーツ、ボランティア)への参加や就労の有無別に、その後の介護コストを比較検討した。その結果、以下に示すように、社会活動に参加したり就労を続けていた人では介護コストが少ないことが明らかになった。

     まず、趣味に関する活動に全く参加していない人(全体の54.1%)では6年間で13.9%が死亡し、23.6%が要介護状態になり、1人当たり平均42.8万円の介護コストが発生していた。それに対して趣味活動に年数回参加している人(8.7%)の介護コストは21.4万円、1カ月1~2回の人(13.6%)は20.7万円、週1回の人(11.5%)は22.5万円、週2回以上参加している人(11.8%)は18.6万円だった。

     同様に、スポーツ活動に全く参加していない人(72.8%)は39.2万円であるのに対して、年に数回参加している人(4.1%)は17.2万円、1カ月1~2回の人(4.5%)は18.6万円、週1回の人(7.1%)は15.9万円、週2回以上参加している人(11.6%)は15.5万円だった。また、就労していない人(同76.1%)が37.9万円であるのに対して、就労している人は14.8万円だった。

     なお、ボランティア活動に関しても、参加していない人より参加している人の介護コストの方が低かった。ただし、ボランティア参加が高頻度の場合にコスト縮小幅が減少するという点で、他の社会活動への参加とは異なる傾向が見られた。

     次に、要介護リスクに影響を及ぼし得る因子(年齢、性別、婚姻状況、独居か否か、併存疾患・障害、教育歴、収入、主観的健康感、物忘れの自覚、居住地域など)を調整した上で、同様の検討を行った。その結果、やはり研究参加時に社会活動に参加していた人や就労していた人の方が、有意に介護コストが低いことが確認された。全ての人が社会活動に参加したり就労を続けたと仮定して、6年間の介護コストを試算したところ、介護コストは趣味に関する活動で19.9%、スポーツ参加で25.3%、就労継続で13.4%抑制されると考えられた。

     著者らは本研究を、高齢者の社会活動参加や就労継続が公的な介護費の抑制に寄与することを示した初の研究と位置付けている。研究の限界点として、社会活動の内容の詳細が把握できていないこと、寿命の延伸に伴い生涯の総介護コストは増大する可能性を否定できないことなどを挙げた上で、「高齢者の社会活動と就労を促進することが、将来の介護コストの削減に役立つ可能性がある」と結論付けている。なお、ボランティア活動への参加頻度が高い場合に介護コスト抑制幅が減少することの理由として、「あまりに頻繁なボランティア活動は“無償の強制労働”という側面が生じてしまうのではないか」と考察を述べている。

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    HealthDay News 2021年7月12日
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  • フレイルと交通格差の関係が明らかに――東京都健康長寿医療センター

     国内の都市、郊外、農村に住む高齢者の移動手段を比較した研究結果が発表された。フレイルに該当する場合、どの地域に住んでいるかにかかわらず、移動手段が限定的になる傾向が見られたが、郊外や農村の居住者は都市部の居住者に比べて、他者が運転する車に同乗する人の割合が高いなどの相違が認められた。移動の機会や手段が限られることで、身体的フレイルに加え社会的フレイルが助長されることも懸念される。

     フレイルとは、加齢による心身機能の低下などにより身体的・心理的ストレスに対する耐性が脆弱化した状態で、要介護予備群に相当する。適度な運動を継続し、社会との接点を保つことが予防対策として重要とされ、それには高齢者が気軽に外出できる環境の整備が必要とされる。交通インフラは地域によって異なり、都市に比べて郊外や農村は高齢者の移動手段が限られている。しかし、その違いがフレイル該当者の移動にどの程度影響を及ぼすかについては、これまで十分明らかにされていなかった。

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     東京都健康長寿医療センター研究所の阿部巧氏らは、国内3地域で実施された高齢住民を対象とした調査の結果を比較し、この点に関する詳細な検討を行った。その結果が「International Journal of Environmental Research and Public Health」に9月1日、掲載された。

     解析には、東京都大田区(人口密度1万1,814人)を都市、埼玉県鳩山町(同541人)を郊外、群馬県草津町(同132人)を農村とし、それぞれの地域に居住する65歳以上で要介護認定を受けていない5,032人、2,853人、1,219人から得た調査結果を利用した。フレイルの判定は、東京都健康長寿医療センターが開発した「介護予防チェックリスト」に基づき、15点満点中4点以上をフレイルと定義した。移動手段は、歩行、自転車、自動車の運転、他者が運転する車への同乗、公共交通機関について、それぞれ週に1回以上利用するかどうかを評価した。

     対象者9,104人の平均年齢は73.5±5.7歳、女性が51.1%、独居者が15.2%で、1,714人(18.8%)がフレイルに該当した。年齢、性別、独居か否か、脳卒中または骨・関節疾患の既往で調整後、フレイルに該当するか否かで移動手段を比較すると、都市、郊外、農村のいずれにおいてもフレイル該当者は非該当者に比べて、車への同乗を除き全ての移動手段の利用が有意に少なかった。

     他者が運転する車の利用は、都市ではフレイル該当者と非該当者で有意差がなかったが〔非該当者に対するオッズ比(OR)1.08(95%信頼区間0.87~1.33)〕、郊外ではOR1.73(同1.32~2.25)、農村ではOR1.61(同1.10~2.35)と、フレイル該当者は有意に利用することが多いという、居住地域による相違が認められた。

     次に、フレイルの有無による交通手段の利用状況により生じる交互作用を、都市での差を基準として比較した結果から、自身で車を運転する割合の差が、農村では有意に大きいことが分かった。その一方、公共交通機関の利用に関するフレイルの有無による差は、都市に比較し農村では有意に小さいことが分かった。ただし後者の公共交通機関の利用割合は、農村においてはフレイルの有無にかかわらず20%未満と少なく、都市(フレイル該当者58.7%、非該当者74.9%)より大幅に低かった。なお、歩行や自転車については、有意な交互作用は見られなかった。

     これらの結果を著者らは、「フレイル該当者は非該当者に比べて移動の選択肢が限られており、その不利益は特に郊外や農村でより顕著であることが明らかになった」とまとめている。また、「フレイルに該当する高齢者のニーズを満たすための適切な移動手段を確保することが重要であり、都市と郊外・農村の交通格差を埋めるために、例えばライドシェアなどの代替手段を積極的に導入する必要がある」と結んでいる。

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    軽度認知障害を予防し認知症への移行を防ぐためには早期発見、早期予防が重要なポイントとなります。そこで、今回は認知症や軽度認知障害(MCI)を早期発見できる認知度簡易セルフチェックをご紹介します。

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    HealthDay News 2020年10月12日
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  • 10分未満の中高強度身体活動の蓄積でも要介護リスクが低下

     運動を含む身体活動にはさまざまな疾患の予防・改善効果があり、実際に公的機関の健康政策や多くの疾患治療ガイドラインで運動療法が推奨されている。それらの推奨では、1回の身体活動の継続時間を重要視していることが多い。例えば2019年にWHOが策定した認知症予防ガイドラインには、「少なくとも10分以上の長さで有酸素運動を行う」と述べられている。しかし、日常生活の中で運動のために10分以上の連続した時間を確保するのが難しいことも少なくない。

     ところが今回、日常の身体活動と要介護リスクとの関係を調査した研究から、10分に満たない中高強度の身体活動でもその合計時間が確保されていれば、要介護状態になるリスクを抑えられることがわかった。福岡工業大学社会環境学部の楢崎兼司氏らの研究グループが、「The Journals of Gerontology. Series A, Biological Sciences and Medical Sciences」3月5日オンライン版に発表した。

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     この研究は、福岡県糟屋郡篠栗町、福岡工業大学、および九州大学が共同で行っている地域前向きコホート調査「篠栗元気もん調査」のデータを解析したもの。要介護認定を受けていない65歳以上の高齢者1,687人(平均年齢73.3±6.0歳、男性37.8%)を5.8年(中央値)追跡。新たに要介護認定を受けるリスクを身体活動別に調べた。

     身体活動は3軸加速度計により測定し、中高強度(3 METs以上)および低強度(1.6~2.9METs)の身体活動に分け、また、それぞれ1回あたりの継続時間が10分未満の活動と10分以上の活動に分けて評価した。ベースライン時における1日あたりの平均時間は、中高強度身体活動が38.1分、低強度身体活動が332.0分だった。

     追跡期間中に274人が要介護認定を受けた。中高強度身体活動の時間で四分位に分け、年齢、性別、BMI、喫煙・飲酒習慣、教育歴、認知機能などの因子で調整の上、要介護リスクを比較検討したところ、以下の結果が得られた。

     中高強度身体活動時間が最も少ない第1四分位群を基準とすると、第2四分位群の相対的な要介護リスク(ハザード比)は0.70、第3四分位群では同0.44、第4四分位群では同0.39となり、中高強度身体活動時間が多いほど要介護リスクが低下する有意な関係が認められた(傾向性P<0.001)。また中高強度身体活動時間が10分長くなるごとに、ハザード比0.86ずつ低下することも分かった。

     続いて1回あたりの継続時間が10分以上の中高強度身体活動と10分未満の中高強度身体活動のそれぞれで、1日あたりの時間と要介護リスクとの関係を解析したところ、いずれも全数解析と同様の有意な関係が認められた(第1四分位群に対する第4四分位群のハザード比は、継続時間10分以上と10分未満の両方で0.45)。これは、一定強度以上の身体活動であれば10分以上継続せずに、より短時間の活動の積み重ねでも、要介護リスクの低下につながることを示唆している。

     楢崎氏らは「日常生活における中高強度身体活動の蓄積は1回あたりの継続時間に関わらず要介護リスクの低下と関連している可能性がある」と結論を述べ、「日常生活における短い“スキマ時間”を活用して、合計の活動時間を増やすことで要介護化を抑止できるかもしれない。このエビデンスを今後の地域における介護予防事業に反映させていきたい」とまとめている。

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    HealthDay News 2020年4月27日
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  • 犬を飼ったことがある人はフレイルになりにくい?

    犬を飼ったことがある人は、フレイル(要介護状態の予備群)になりにくい可能性が、日本人の高齢者を対象とした検討から示された。東京都健康長寿医療センター研究所の谷口優氏(現在の所属は国立環境研究所)らのグループの研究によるもので、詳細は「Scientific Reports」12月9日オンライン版に掲載された。

     この研究は、東京都大田区の住民を対象に行われている「大田元気シニアプロジェクト」の一環として実施した縦断調査。2016年に登録された65歳以上のフレイルでない地域住民7,881人のうち、2018年の追跡調査で再評価が可能だった6,197人(平均年齢73.6±5.3歳、うち女性53.6%)を対象とした。フレイルの定義は、Friedらの虚弱指標に対して併存的および予測的妥当性が確認されている日本人高齢者向けの指標によった。

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     ベースライン時点で犬や猫を飼っていたのは870人(14.0%)、過去に飼ったことがあるのは1,878人(30.3%)で、3,449人(55.7%)は犬・猫いずれも飼った経験がなかった。犬や猫の飼育経験がある人はない人に比べて年齢が若く、同居する家族や配偶者がいる割合、学歴、所得、生活体力指標(MFS)が高い傾向があった。一方、脳卒中や心疾患、呼吸器疾患、糖尿病、高血圧、脂質異常症の既往者率、運動習慣の有無、老年期うつスケール(GDS-5)に有意差はなく、喫煙者率は犬や猫の飼育経験者の方が高かった。

     2年間の追跡期間中に918人(14.8%)がフレイルを発症した。年齢、性別、居住地域で調整し、犬や猫の飼育経験がない人を基準にフレイルの発症リスクを検討すると、過去に飼っていた人はオッズ比(OR)0.85(95%信頼区間0.71~0.99)で有意にリスクが低く、現在飼っている人はOR0.90(0.72~1.13)だった。調整因子に、世帯規模、収入、脳卒中の既往、食事の多様性、GDS-5スコア、飲酒・喫煙習慣を追加した多変量調整モデルでも、過去に犬や猫を飼っていた人はOR0.84(0.71~0.98)で引き続き有意だった。

     犬の飼育者と猫の飼育者を分けて解析すると、過去に犬を飼っていた人のフレイル発症リスクはOR0.82(0.69~0.99)で有意であり、現在飼っている人のORは0.81(0.62~1.07)だった。一方、猫の飼育経験とフレイルの発症リスクの間には有意な関連はみられなかった。

     以上の結果から著者らは、犬を飼うことで散歩などによって運動量が増えることがフレイルリスクの低下に関連していると仮定し、年齢、性別の他にMFSスコアと運動習慣を調整因子として加えて解析。すると犬の飼育経験によるフレイルリスクの低下は有意でなくなった。また、犬の散歩によって近隣住民と会話をする機会が増えることが想定されることから、隣人との付き合いの深さ(接触なし、挨拶のみ、会話をする、より重要な関係で層別化)を調整因子に追加したところ、やはりリスク低下の有意性は消失した。

     これら一連の検討をもとに谷口氏は、「犬を飼育する経験は身体活動量と屋外で過ごす時間を増やすため、高齢者の身体的・社会的機能を高く維持することにつながり、フレイルリスクを抑制する上で重要な役割を果たす可能性がある」と述べている。

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    HealthDay News 2020年1月14日
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  • 自治体の介護予防事業とフレイルの関係――100人に1回の介入がリスク1割減に相当

    介護予防事業の実施回数が多い自治体に住む高齢者は、要介護予備群のフレイルになるリスクが低いことが明らかになった。東京大学大学院医学系研究科客員研究員の佐藤豪竜氏らの研究によるもので、詳細は「Social Science & Medicine」11月30日オンライン版に掲載された。

     この研究の対象は、日本老年学的評価研究(JAGES)に2010~11、2013、2016の各年に参加した人のうち、要介護認定を受けていない65歳以上の人。述べ81の市町村に住む37万5,400人(平均年齢74.1歳)について、各自治体の介護予防事業と、当該地域住民のフレイル該当者率との関連を検討した。フレイルの判定には、厚生労働省が作成した、外出頻度やBMIなどに関する25項目の質問からなる「基本チェックリスト」を用い、8点以上をフレイル、4点以上をプレフレイル(フレイル予備群)とした。

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     フレイルの該当者率は2010~11年25.1%、2013年16.1%、2016年9.9%で、プレフレイルは同順に59.9%、47.3%、38.5%であり、いずれも減少傾向が認められた。これは日本人高齢者の身体的・精神的健康が年々向上している影響が一部あると考えられる。なお、フレイルおよびプレフレイル該当者率は自治体間で開きがあり、2016年において前者は7.1~14.3%、後者は29.0~44.9%の範囲にあった。

     自治体による介護予防事業は、講演会や相談会の開催を主体とする「介護予防普及啓発事業」(教育イベント介入)と、住民参加型の“通いの場”やボランティア活動への参加を主体とする「地域介護予防支援事業」(社会活動介入)に大別される。今回の調査の結果、教育イベント介入は高齢者100人当たり調査年により2.09~3.63回/年、社会活動介入は1.74~3.49回/年実施されていた。また、高齢者100人当たり年40回以上実施している自治体がある一方で、全く行っていない自治体も存在した。

     フレイルの発症に影響を与える可能性がある性別、年齢、教育年数、所得、婚姻の有無、就労状況などで調整の上、予防事業との関連を解析すると、社会活動介入を多く実施している自治体ほどフレイル該当者率が低いことが明らかになった。具体的には、社会活動介入を高齢者100人当たり1回実施するごとに、フレイル該当者率が11%有意に減少することがわかった(オッズ比0.89、95%信用区間0.81~0.99)。市民がこうした活動に参加する機会が少ない地域ほど、介入効果が高いことも示された。

     一方、教育イベント介入には明確な効果が見られなかった(高齢者100人当たり1回の実施によるオッズ比0.92、95%信用区間0.78~1.08)。また、プレフレイルに対しては、社会活動、教育イベントのいずれの介入も効果が明らかでなかった。

     研究グループは、本研究を「自治体が地域の全高齢者を対象にポピュレーションアプローチとして行う介護予防事業とフレイルの関係を、世界で初めて検証したもの」と位置付けている。これまでの介護予防事業は運動や筋力トレーニング、栄養指導など、ハイリスクな対象への個別介入に主眼が置かれてきたが、国内でフレイル状態の高齢者は500万人以上とも推計され、ハイリスクアプローチのみでは実効性に限界がある。本研究でポピュレーションアプローチとフレイル該当者率の低下に相関関係が認められたことから、佐藤氏らは「今後は因果関係の証明など、さらなる研究成果を期待したい」と述べている。

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    HealthDay News 2019年12月23日
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