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9月 23 2026 季節性アレルギー性鼻炎、外来受診患者数年間2470万人・処方薬費1829億円
アレルギー性鼻炎(AR)の有病率は世界的に増加しているが、日本におけるその経済的負担については、全国規模のデータが限られている。今回、全国のレセプトデータを用いて季節性ARの受診状況や処方薬費を調べた研究から、外来受診患者数は年間2470万人、処方薬費は1829億円と推計された。研究では、これらを季節性ARにかかる医療支出の最低限の規模を示す推計としている。研究は、千葉労災病院耳鼻咽喉科の郡山みな美氏らによるもので、詳細は8月1日付の「Allergology International」に掲載された。
ARの医療費に関する研究は欧米からの報告が多く、季節性ARと通年性ARを区別することが難しいため、季節性ARに特化した経済的負担は十分に明らかになっていない。日本では、スギやヒノキ花粉による季節性ARが最も多く、「国民病」とも呼ばれている。こうした日本特有の季節性ARの医療負担を明らかにするため、研究グループは全国のほぼ全人口をカバーする厚生労働省のレセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)を用いて春の季節性ARを中心に評価した。
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治験情報の探し方から参加検討まで、専門スタッフが一緒にサポートします研究では、2018~2019年のNDBを用い、診断・薬剤コードから季節性AR患者と季節性AR関連処方を抽出した。季節性AR関連処方には抗ヒスタミン薬、鼻噴霧用ステロイド、点眼薬、免疫療法などの1450製品をカウントした。春季ARは疑い病名を除き、2018年と2019年の両年の1~4月に季節性ARの診断があり、各年14日以上の季節性AR関連薬の処方を受けた患者と定義。通年性ARのみの患者は除外し、季節性ARをできるだけ正確に抽出した。夏季AR(5~8月)、秋季AR(9~12月)も同様に定義した。各季節の患者数、10万人当たり患者数、受診回数、処方薬費を算出し、都道府県別の春季AR患者数とスギ・ヒノキ花粉飛散量との関連も評価した。
春季AR患者は年間1290万人で、女性が男性の1.36倍だった。人口10万人当たりでは1万783人で、年齢別では5~9歳で最も多く、20~29歳で最も少なかった。30~39歳以降は年齢とともに増加する傾向がみられた。平均受診回数は年間3.05回で、83%が無床診療所を受診していた。年間の処方薬費は1018億円、患者1人当たり7,874円だった。
都道府県別の春季AR患者数には地域差があり、人口10万人当たりの患者数が全国平均を20%以上上回ったのは群馬、東京、山梨、静岡の4都県だった。一方、13県では20%以上下回った。都道府県別の患者数とスギ・ヒノキ花粉飛散量には中等度の相関が認められた(Spearmanの順位相関係数 r=0.61)。
夏季AR患者は570万人、秋季AR患者は610万人で、女性が男性より多かった(女性/男性比はそれぞれ1.45、1.46)。平均受診回数は夏季3.49回、秋季3.73回で、処方薬費はそれぞれ387億円、424億円だった。春季、夏季、秋季のAR患者数は計2470万人、処方薬費は計1829億円と推計された。
著者らは、今回の推計値はレセプトの疑い病名を除外するなど、厳しい基準で患者抽出をしたものであり、医療機関を受診した季節性AR患者にかかる医療費の最低限の規模を示すものと指摘。市販薬で対処するなど医療機関を受診しない患者はNDBでは把握できないため、季節性ARの経済的負担全体はさらに大きい可能性があるとしている。
なお、本研究では、14日未満の処方患者や医療機関を受診しなかった患者を把握できないこと、レセプト情報のみでは臨床症状の情報がわからないため季節性AR以外の目的の処方や、通年性AR合併の場合、どちらに対して処方されたかを完全に区別できないことなどを限界点として挙げている。
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9月 23 2026 第2世代抗精神病薬の低Na血症リスクに薬剤間差――5万人超の大規模研究
第2世代抗精神病薬(SGA)の副作用の一つとして低Na(ナトリウム)血症が知られている。今回、米国の副作用報告データベースで、個々のSGAと低Na血症の報告との関係を調べ、その結果を日本の大規模な医療データベースで検証したところ、アリピプラゾールを使用した患者では、オランザピンを使用した患者と比べて低Na血症リスクが48%低いことが分かった。研究は藤田医科大学薬物治療情報学の波多野正和氏らによるもので、詳細は8月13日付の「JAMA Network Open」に掲載された。
抗精神病薬に関連する低Na血症は患者の3~6%に生じるとされ、軽度であっても入院期間の延長や再入院、死亡と関連することが報告されている。SGAは第1世代抗精神病薬と比べて低Na血症リスクが低い可能性が示されているものの、SGAの薬剤間でリスクにどの程度の違いがあるかは明らかになっていない。このような背景から、著者らは、米国食品医薬品局(FDA)の有害事象報告システム(FAERS)を用いて個々のSGAと低Na血症との関連を探索するとともに、日本の大規模なレセプトデータベースを用いてSGA間の低Na血症リスクを検討した。
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治験情報の探し方から参加検討まで、専門スタッフが一緒にサポートします研究は2段階で行われ、まずFAERSのデータを用いて、個々のSGAと低Na血症との関連を探索した。そこで得られた結果を検証するため、日本の515病院・約4,800万人のデータを収載するメディカル・データ・ビジョン社の医療データベースから、抗精神病薬を新たに処方された18~69歳の患者を抽出し、使用開始後180日以内の低Na血症発症リスクを比較した。オランザピンはFAERSで低Na血症の報告数が最も多く、臨床でも広く使用されていることから基準薬とした。患者背景は傾向スコアに基づく重み付けで調整した。低Na血症は、血清Na値が135 mEq/L未満、または抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)などの診断が記録された場合と定義した。
解析の結果、アリピプラゾール、アセナピン、ブレクスピプラゾール、ルラシドン、パリペリドン、クエチアピン、リスペリドンの7剤で、オランザピンより低Na血症の報告が少ないシグナルが認められた。特に、ブレクスピプラゾール(報告オッズ比〔ROR〕0.13、95%信頼区間〔CI〕0.08~0.19)とルラシドン(同0.19、0.14~0.24)のRORが低かった。
日本の医療データベースでは、抗精神病薬を処方された96万1,010人のうち、条件を満たした5万5,394人を解析した。アセナピン、ルラシドン、パリペリドンは対象患者が1,000人未満だったため、コホート解析から除外された。解析対象者の平均年齢は50.4歳で、低Na血症は366人(0.7%)に発症した。患者背景を調整した解析では、アリピプラゾールはオランザピンと比べて低Na血症リスクが48%低かった(調整ハザード比0.52、95%CI 0.35~0.76)。一方、ブレクスピプラゾールでは調整後に有意差がなくなり、その他の薬剤でもオランザピンとの有意差は認められなかった。感度分析でも主要な結果は概ね一貫していた。
著者らは、SGAでは低Na血症リスクに薬剤間差がある可能性があり、特にアリピプラゾールはオランザピンと比べて低Na血症リスクが低いことが、複数の解析で示されたと考察。低Na血症のリスクが高い患者では、抗精神病薬の選択に役立つ可能性があるとしている。一方、残余交絡やアウトカムの把握方法の違いなどの影響を否定できず、個々の抗精神病薬と低Na血症との関連を明らかにするには、さらなる研究が必要だとしている。
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