手術支援ロボットHugoTM RAS Systemによる大腸がん手術118例の周術期・短期成績

 近年、さまざまなメーカーから手術支援ロボットが登場し、外科手術への導入が進んでいる。今回、HugoTM RAS System(Hugo)を用いた大腸がん手術118例の周術期・短期成績を検討した単施設後ろ向き研究の結果が報告された。術中合併症や開腹手術への移行は認められず、良好な短期成績が示されたという。報告は、京都大学医学部附属病院消化管外科の山本健人氏、板谷喜朗氏らによるもので、詳細は8月21日付で「Surgery Today」に掲載された。

 Hugoは、米メドトロニック社が開発した手術支援ロボットで、複数のアームを独立して配置できるモジュール型の構造を特徴とする。日本では2023年に消化管外科手術への適応拡大が承認され、保険診療で使用されている。大腸がん手術へのHugoの導入については、これまでにも実施可能性を示す症例報告や症例集積が報告されているが、症例数は少なく、臨床成績に関するエビデンスは限られていた。そこで著者らは、Hugoを用いた大腸がん手術の周術期・短期成績を評価し、実臨床における安全性と実施可能性を検討した。

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 京都大学医学部附属病院で2024年4月~2026年4月にHugoを用いたロボット支援手術を受けた大腸がん患者を対象に、単施設の後ろ向きコホート研究を実施した。臨床病理学的特徴、手術関連因子、術後短期成績を、結腸がんと直腸がんに分けて評価した。手術は、日本内視鏡外科学会の認定を受け、da Vinci Surgical System(DVSS)によるロボット支援手術を40例以上経験した術者が執刀するか、その直接監督下で実施した。

 解析対象は118例で、内訳は結腸がん57例、直腸がん61例だった。結腸がんでは、手術時間の中央値は281分、ドッキング時間は11分、コンソール時間は192分で、出血量の中央値は0 mLだった。他臓器の合併切除などの拡大手術は9例で実施された。Clavien-Dindo分類Grade IIの術後合併症は3例、Grade IIIは2例に認められ、術後在院日数の中央値は11日だった。

 直腸がんでは、手術時間の中央値は328分、ドッキング時間は8分、コンソール時間は221分で、出血量の中央値は0 mLだった。側方リンパ節郭清や他臓器合併切除など、標準的な全直腸間膜切除術(TME)を超える「beyond-TME」の手術は13例で実施された。環周切除断端(CRM)陽性例および切除断端陽性例は認められなかった。Grade IIの術後合併症は6例、Grade IIIは1例に認められた。術後在院日数の中央値は14日だった。

 結腸がん、直腸がんのいずれにおいても、術中合併症は認められず、腹腔鏡手術や開腹手術への移行もなかった。

 著者らは、Hugoによる大腸がん手術は実施可能で、安全性も良好だったと結論付けている。また、本研究はこれまで報告されたHugoによる大腸がん手術の単施設症例集積として最大規模であり、Hugoの大腸がん手術への適用可能性を支持する臨床的エビデンスを提供するとしている。

 一方、本研究は単施設・単群の観察研究で、腹腔鏡手術やDVSSとの直接比較は行っていない。また、ロボット支援手術の経験が異なる術者が含まれ、学習曲線の初期にあたる症例も含まれていた。著者らは、今後は症例数のさらなる蓄積や多施設研究を行い、Hugoによる手術の長期的な腫瘍学的成績を検討する必要があるとしている。

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HealthDay News 2026年10月5日
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