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10月 05 2026 高齢者の脆弱性骨折、部位によって介護ニーズやフレイルの程度に違い
高齢者では、転倒などの軽微な外力でも骨折する脆弱性骨折が起こりやすく、骨折後の身体機能や生活の質の低下につながることがある。今回、日本の高齢者における脆弱性骨折約14万6,000件を調べた研究から、骨折部位によって介護ニーズやフレイルの程度が異なることが示された。研究は静岡社会健康医学大学院大学と名古屋市立大学大学院医学研究科整形外科学分野の研究グループによるもので、柴田隆太郎氏、佐藤洋子氏、田中仁啓氏らが実施した。詳細は、8月19日付で「Age and Ageing」に掲載された。
脆弱性骨折は高齢者に多く、骨折部位によって患者の身体機能やフレイルの程度が異なる可能性が指摘されている。しかし、その実態は十分に明らかになっていない。このような背景から、著者らは日本の大規模データベースを用い、骨折部位と介護ニーズやフレイルの程度との関連を解析した。
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治験情報の探し方から参加検討まで、専門スタッフが一緒にサポートします本研究は、日本の静岡県国保データベース(SKDB)を用いて、人口ベースの後ろ向きコホート研究として行われた。SKDBは静岡県の230万人超の住民をカバーし、健康保険・介護保険のレセプトや健診データなどを統合している。対象は、2012年4月1日~2022年9月30日のデータから、65歳以上で初回の単一部位の脆弱性骨折を起こした患者とした。骨折部位は橈骨遠位端(手首)、上腕骨近位部(肩)、脊椎、骨盤、大腿骨近位部、大腿骨遠位部(膝)の6部位に分類した。フレイルは、介護保険の認定レベルと電子フレイル指数(eFI)を用いて評価した。eFIは、ICD-10コードに基づいて定義した35項目の慢性疾患・健康上の問題がどの程度蓄積しているかをもとに算出し、健常、軽度フレイル、中等度フレイル、重度フレイルの4群に分類した。フレイルの程度別に骨折部位の分布を比較し、骨折部位ごとに「要介護認定なし」を基準としたロジスティック回帰分析を用いて粗オッズ比(OR)と95%信頼区間(CI)を算出した。また、年齢・性別で調整した解析も行った。
解析対象となった脆弱性骨折は14万6,052件で、患者の平均年齢は81.5歳、女性が78.2%を占めた。骨折部位は脊椎骨折が8万184件と最も多く、次いで大腿骨近位部が3万1,521件、橈骨遠位端が1万9,504件だった。骨折部位によって年齢にも違いがみられ、橈骨遠位端骨折の平均年齢は77.8歳だったのに対し、大腿骨近位部骨折は84.9歳、骨盤骨折は82.6歳だった。
介護保険の認定状況をみると、橈骨遠位端骨折患者の86%は要介護認定を受けていなかった。その一方、大腿骨近位部骨折と大腿骨遠位部骨折では要介護認定を受けていない患者の割合がそれぞれ47%と49%にとどまっていた。要介護認定を受けていない人を基準とした解析では、重度の介護ニーズがある人で橈骨遠位端骨折のオッズは低く(OR 0.50、95%CI 0.46~0.55)、大腿骨近位部骨折(OR 8.06、95%CI 7.82~8.31)や大腿骨遠位部骨折(OR 10.55、95%CI 9.61~11.57)、骨盤骨折(OR 2.52、95%CI 2.32~2.72)のオッズは高かった。年齢・性別で調整すると関連は弱まったものの、重度の介護ニーズと橈骨遠位端、大腿骨近位部、大腿骨遠位部の骨折との有意な関連は認められた。eFIによる解析でも同様の傾向が認められた。
著者らは、橈骨遠位端骨折は比較的生活機能が保たれた高齢者に多く、将来の骨折を防ぐための骨粗鬆症の評価・治療につなげる機会となり得ると指摘している。一方、骨盤や大腿骨遠位部の骨折はフレイルが進行した高齢者に多く、施設内の転倒予防や介助方法の見直しなど、フレイルの程度に応じた対策が重要だとしている。こうした骨折部位ごとの特徴を踏まえることが、高齢化が進む日本での骨折・介護予防や医療・介護資源の適切な配分にもつながる可能性があるとしている。
なお、本研究の限界点として、行政データを用いたため身体機能を直接評価できなかったこと、年齢・性別以外の交絡因子を十分に調整していないこと、静岡県のデータに基づくため一般化に限界があることが挙げられる。
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10月 05 2026 手術支援ロボットHugoTM RAS Systemによる大腸がん手術118例の周術期・短期成績
近年、さまざまなメーカーから手術支援ロボットが登場し、外科手術への導入が進んでいる。今回、HugoTM RAS System(Hugo)を用いた大腸がん手術118例の周術期・短期成績を検討した単施設後ろ向き研究の結果が報告された。術中合併症や開腹手術への移行は認められず、良好な短期成績が示されたという。報告は、京都大学医学部附属病院消化管外科の山本健人氏、板谷喜朗氏らによるもので、詳細は8月21日付で「Surgery Today」に掲載された。
Hugoは、米メドトロニック社が開発した手術支援ロボットで、複数のアームを独立して配置できるモジュール型の構造を特徴とする。日本では2023年に消化管外科手術への適応拡大が承認され、保険診療で使用されている。大腸がん手術へのHugoの導入については、これまでにも実施可能性を示す症例報告や症例集積が報告されているが、症例数は少なく、臨床成績に関するエビデンスは限られていた。そこで著者らは、Hugoを用いた大腸がん手術の周術期・短期成績を評価し、実臨床における安全性と実施可能性を検討した。
【大腸がんの治験について相談したい方へ】
治験情報の探し方から参加検討まで、専門スタッフが一緒にサポートします京都大学医学部附属病院で2024年4月~2026年4月にHugoを用いたロボット支援手術を受けた大腸がん患者を対象に、単施設の後ろ向きコホート研究を実施した。臨床病理学的特徴、手術関連因子、術後短期成績を、結腸がんと直腸がんに分けて評価した。手術は、日本内視鏡外科学会の認定を受け、da Vinci Surgical System(DVSS)によるロボット支援手術を40例以上経験した術者が執刀するか、その直接監督下で実施した。
解析対象は118例で、内訳は結腸がん57例、直腸がん61例だった。結腸がんでは、手術時間の中央値は281分、ドッキング時間は11分、コンソール時間は192分で、出血量の中央値は0 mLだった。他臓器の合併切除などの拡大手術は9例で実施された。Clavien-Dindo分類Grade IIの術後合併症は3例、Grade IIIは2例に認められ、術後在院日数の中央値は11日だった。
直腸がんでは、手術時間の中央値は328分、ドッキング時間は8分、コンソール時間は221分で、出血量の中央値は0 mLだった。側方リンパ節郭清や他臓器合併切除など、標準的な全直腸間膜切除術(TME)を超える「beyond-TME」の手術は13例で実施された。環周切除断端(CRM)陽性例および切除断端陽性例は認められなかった。Grade IIの術後合併症は6例、Grade IIIは1例に認められた。術後在院日数の中央値は14日だった。
結腸がん、直腸がんのいずれにおいても、術中合併症は認められず、腹腔鏡手術や開腹手術への移行もなかった。
著者らは、Hugoによる大腸がん手術は実施可能で、安全性も良好だったと結論付けている。また、本研究はこれまで報告されたHugoによる大腸がん手術の単施設症例集積として最大規模であり、Hugoの大腸がん手術への適用可能性を支持する臨床的エビデンスを提供するとしている。
一方、本研究は単施設・単群の観察研究で、腹腔鏡手術やDVSSとの直接比較は行っていない。また、ロボット支援手術の経験が異なる術者が含まれ、学習曲線の初期にあたる症例も含まれていた。著者らは、今後は症例数のさらなる蓄積や多施設研究を行い、Hugoによる手術の長期的な腫瘍学的成績を検討する必要があるとしている。
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