• オバマケア、がんの早期発見に貢献

    オバマ政権下で施行された医療保険制度改革法(ACA)、通称オバマケアによって早期に発見されるがんが増え、多数の命が救われた可能性を示唆する研究結果が「American Journal of Public Health」2017年12月21日オンライン版に掲載された。

    2014年までにオバマケアの柱の一つであるメディケイド(低所得者向け公的医療保険)の加入資格の拡大を実施した州では、拡大を拒否した州と比べて早期に診断されるがんが増加したことが分かったという。

    この研究を実施したのは米インディアナ大学経営学部のAparna Soni氏ら。
    メディケイド拡大は無保険者を減らすことを主な目的としたオバマケアの柱の一つとして位置付けられていたが、実施するか否かの判断は州政府に委ねられていた。
    Soni氏らは今回の研究でメディケイド拡大が生産年齢人口のがん診断率にどのように影響したのかについて検討した。

    研究では2010~2014年のがん登録データを用いて13州611郡の生産年齢人口(19~64歳)の郡レベルでのがん診断率を推定し、メディケイド拡大を実施した州と拒否した州との間でその変化率を比較した。
    なお、このうち9州が2014年までにメディケイド拡大を実施していた。

    その結果、メディケイド拡大によって全体的ながんの診断率が3.4%上昇したことが分かった。
    これは、人口10万人当たりのがん診断数が13.8件増加したことに相当するという。

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    また、早期がんのみに限定すると診断件数の増加はより顕著で、メディケイド拡大によって診断率は6.4%上昇(人口10万人当たりのがん診断数15.4件の増加に相当)したことが明らかになった。
    なかでも35~54歳での乳がんや大腸がんといった早期に発見しやすいがんの診断数が増加したことが、早期がんの診断率を押し上げる要因となっていた。

    Soni氏は「早期の段階でがんを発見できれば治療が成功する可能性は高まり、がんによる死亡率の低減につながることは既に立証されている」と説明。
    メディケイド拡大は低所得者層の医療サービスの利用率を高めるために実施されたが、それによって早期に発見されるがんが増え、がんによる死亡を減らせる可能性があるとの見方を示している。

    また、同氏は「がんは診断が遅れるほど治療費が高くなりやすいため、長期的には医療費の削減にもオバマケアが寄与する可能性がある」としている。

    米国では12月20日、無保険者に対する医療保険への加入義務の撤廃などを含むオバマケアの一部改廃を盛り込んだ税制改革法案が可決された。
    ただ、この時点ではメディケイドの縮小は決まっていない。

    米国がん協会(ACS)のAhmedin Jemal氏は「(Soni氏らの研究は)オバマケアが縮小され医療保険を失う人が増えれば、がんの発見が遅れる可能性があることを示したものだ」とコメントしている。

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    HealthDay News 2017年12月21日
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  • がん治療中も学校の勉強を続けよう

    子どもががんの治療を受けているときは、学校の勉強は優先すべき対象から外されがちかもしれません。

    しかし小児がん患者の多くは学校に行き、ほかの子どもたちと一緒に過ごすことを平常な生活の象徴と考えています。

    治療中でも以下のような方法でできる限り学習を続けましょう。

    • 自宅での指導を頼んでみましょう。米国では多くの場合、公立学校が無償で指導を提供しています。
    • 病院やクリニックで院内学級に参加することもできます。
    • 医学的に問題がなく、子どもの体調が十分によければ、治療中でも通常どおり通学を続けることもできます。

    情報元:米国がん協会(ACS)

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    HealthDay News 2017年12月28日
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  • 新たな機序のがん治療薬、幅広い種類のがんで有望な成績

    がんに関わるシグナル伝達経路の異常を標的とした新たな作用機序のがん治療薬が、種類を問わずさまざまな固形がんの患者の治療に有望であることが予備的な臨床試験によって明らかになった。

    この試験の成績は「Cancer Discovery」12月15日オンライン版に掲載された。

    この臨床試験は、米マサチューセッツ総合病院のRyan Sullivan氏が率いる研究グループが実施したもの。さまざまな種類の進行した固形がんの患者のうち、前治療による効果が得られなかった患者135人が登録された。

    同試験で使用したのは、細胞内の情報伝達で重要な役割を果たしている分裂促進因子活性化タンパク質キナーゼ(MAPK)のうち、細胞外シグナル調節キナーゼ(ERK)1/2を阻害する作用を有するulixertinibと呼ばれる新薬だ。
    同薬による治療の結果、がんの種類にかかわらず、患者の一部で「部分奏効」または「疾患安定」が認められたという。

    米ノースウェル・ヘルス、ハンチントン病院のMaria Nieto氏によると、MAPK/ERK経路は細胞表面にある受容体と細胞核内の遺伝子との間で情報を伝えている。
    この経路の上流にあるRAS遺伝子やBRAF遺伝子などに変異が生じると経路が異常に活性化され、細胞の増殖を制御できなくなって発がんにつながる。
    こうした異常は多くのがんに共通してみられるため、この経路を阻害するulixertinibは「メラノーマや肺がん、大腸がん、低悪性度の卵巣がんなど、さまざまな種類のがんの治療に使用できる可能性がある」という。

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    メラノーマなどの治療で既に使用されているBRAF阻害薬やMEK阻害薬も、ulixertinibと同様、MAPK/ERK経路上の活性化因子を標的とした分子標的薬だ。
    しかし、これらの薬剤では治療を受けた患者の一部で耐性が生じることが知られており、その原因についてSullivan氏は「これらの因子はMAPK/ERK経路の上流側に位置しているため、阻害しても別の経路からERKが活性化されてしまうからだ」と説明する。
    こうしたことから、MAPK/ERK経路における「最終的な制御因子」であるERKを標的とすれば、がん細胞の薬剤耐性を回避できる可能性が示されていたという。

    また、BRAF阻害薬はBRAF遺伝子のコドン600における変異(BRAF V600変異)がある患者に対して使用されるが、それ以外のBRAF遺伝子変異を有する患者に対する治療薬はなかった。
    ulixertinibは、こうした患者に有用である可能性がある。

    副作用に関しては、同氏らは「許容できる忍容性プロファイル」であり、「ほとんどの副作用は重大なものではなかった」としているが、今回はまだ小規模な第1相試験の段階であるため、今後より大規模な試験で安全性を検証する必要があるとの見解を示している。

    米レノックス・ヒル病院のStephanie Bernik氏は「情報の伝達を最終的な段階で阻害し、がん細胞の増殖を止めるこの新薬には大きな可能性がある」と期待を寄せ、「同薬を他の治療薬と併用すれば相乗的な効果が生まれ、がん細胞が増殖を続けることをさらに困難にさせるものと考えられる」としている。

    この臨床試験は同薬の開発元であるBiomed Valley社の資金提供を受けて実施された。

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    HealthDay News 2017年12月15日
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  • 65歳以上のがん診断例、4人中1人が過去にもがんを経験

    65歳以上でがんと診断された米国人の4人中1人を、以前にも同じ部位あるいは別の部位のがんを経験したことのある「がんサバイバー」が占めていることが米テキサス大学サウスウェスタン医療センターのCaitlin Murphy氏らの研究で明らかになった。

    詳細は「JAMA Oncology」11月22日オンライン版に掲載された。

    Murphy氏らは今回、全米のがん患者が登録されたSEERプログラムのデータを用い、2009~2013年にがんと診断された74万990人におけるがんサバイバーの割合を調べた。

    その結果、65歳以上の患者の約25%、65歳未満の患者の11%をがんサバイバーが占めていた。また、がんサバイバーの割合は年齢やがんの種類によって4~37%の範囲でばらつきがみられた。
    なお、以前に診断されたがんのほとんどが別の部位のがんだった。

    米フォックス・チェイスがんセンター外科腫瘍学のMarc Smaldone氏は「がん治療の向上に伴い患者の寿命は延びているが、それと引き換えに以前のがんとは無関係のがんや、以前のがん治療に起因した新たながんを発症する可能性がある人も増えている」と説明している。

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    また、同氏は「がんと診断された患者の多くは抑うつ症状に苦しんだり治療費への不安を感じたりする。
    複数回にわたるがんの診断は、ただでさえニーズが満たされていないがんサバイバーの問題を、さらに複雑かつ深刻なものにしてしまう」と指摘。
    このほか、有望ながん治療薬の臨床研究の多くががんサバイバーを対象から除外していることも問題点として挙げている。

    一方、米レノックス・ヒル病院のStephanie Bernik氏は、がん発症に影響する遺伝的要因や生活習慣に問題がある一部の人ががんにかかりやすくなる可能性を指摘。
    「複数の種類のがんには遺伝的要因が関与することが分かっているため、以前がんを発症した人が再び新たにがんを発症するリスクが高いことは理解できる。

    また、喫煙や飲酒も複数の種類のがんリスクを高めるため、こうした生活習慣のある人はがんを発症しやすいと考えられる」と説明している。

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    HealthDay News 2017年11月22日
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  • ワルファリンにがん予防効果?

    心筋梗塞や脳卒中、肺塞栓症などを予防するために広く使用されている抗凝固薬のワルファリン(商品名ワーファリン)に、がんを予防する作用もあることを示唆する研究結果が「JAMA Internal Medicine」11月6日オンライン版に掲載された。

    この研究は観察研究であるため因果関係が証明されたわけではないが、ワルファリンの使用者は世界で数百万人に上ることから、研究を実施したベルゲン大学(ノルウェー)のJames Lorens氏らは「抗凝固薬の選択に影響しうる重要な結果」としている。

    ワルファリンは心筋梗塞後や心臓人工弁置換術後の患者、心房細動患者などに対して処方されることの多い抗凝固薬の一つで、ビタミンK拮抗薬に分類される。
    欧米では成人の5~10%がワルファリン使用者だという。

    Lorens氏らによると、以前からワルファリンががんリスクを低減する可能性を示唆した研究結果が報告されていた。
    このうちがんモデル動物を用いた研究では、抗凝固作用を発揮する用量よりも低用量のワルファリンがAXL受容体チロシンキナーゼを介した腫瘍の形成を阻害することが明らかにされていたほか、一部の疫学研究でワルファリンの使用者で特定のがんリスクが低下することが示されていた。

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    そこで同氏らは今回、ノルウェー国民登録およびがん登録、処方記録のデータベースを用い、1924~1954年に出生したノルウェー人125万6,725人を対象に2004~2012年のワルファリン処方と2006~2012年のがん発症との関連について検討した。
    このうち7.4%(9万2,942人)がワルファリン使用者で、10.6%(13万2,687人)ががんを発症していた。平均年齢はワルファリン使用者が70.2歳、非使用者が63.9歳だった。

    年齢や性で調整して解析した結果、ワルファリン使用者では非使用者と比べてがんの発症率比(IRR)が0.84と有意に低かった。
    また、がん種別のIRRは肺がんが0.80、前立腺がんが0.69、乳がんが0.90でそれぞれ有意に低かったが、大腸がんは0.99で有意な低下は認められなかった。
    さらに、ワルファリン使用とがん発症率の低下との関連は、特に心房細動患者で強く認められた。

    ワルファリンは近年登場したリバーロキサバン(商品名イグザレルト)やアピキサバン(同エリキュース)などの新しい抗凝固薬(第Xa因子阻害薬)と比べると安価だが、患者ごとに適量が異なるため定期的に血液検査で抗凝固指標(INR)を測定する必要がある。

    このため、最近はワルファリンの代わりに新しい抗凝固薬に切り替える例が増えている。

    しかし、「新薬は作用機序が異なるため、ワルファリンのようながん予防効果は期待できない」とLorens氏は指摘する。

    一方、米国がん協会(ACS)のLen Lichtenfeld氏は「この研究からワルファリンにはがんリスクを低減させる何らかの作用があることが示唆された。
    ただし、がん予防の目的でワルファリンを処方すべきではない。
    ワルファリンを使用するよりも健康的な食事や運動を心掛けることの方ががん予防には重要だ」と強調している。

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    HealthDay News 2017年11月6日
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  • 腸内細菌叢ががん治療薬の効果を左右する?

    従来の抗がん薬とは異なる機序で作用する免疫チェックポイント阻害薬の効果を腸内細菌叢が左右する可能性があることを示した2件の研究結果が「Science」11月2日オンライン版に掲載された。

    同薬の一種であるニボルマブ(商品名オプジーボ)などの抗PD-1抗体薬による治療を受けた進行メラノーマや肺がんなどの患者の腸内細菌叢を調べたところ、治療の効果があった患者となかった患者で細菌の多様性や構成に違いが認められたという。

    一つ目の研究を実施したのは米テキサス大学MDアンダーソンがんセンター准教授のJennifer Wargo氏ら。
    この研究では、抗PD-1抗体薬による治療を受けた進行メラノーマ患者112人から採取した糞便を分析して腸内細菌叢の多様性や構成について調べた。

    その結果、治療の効果があった患者では、なかった患者と比べて腸内細菌叢の多様性に富んでいることが分かった。

    また、効果のあった患者の腸内細菌叢では特定の細菌(ルミノコッカス属とフィーカリバクテリウム属)の占める割合が特に高かったのに対し、効果がなかった患者ではバクテロイデス属の細菌の割合が高いことも明らかになった。

    さらに、効果のあった患者の糞便をマウスに移植したところ、そのマウスも抗PD-1抗体薬に対して良好な反応を示したという。

    一方、二つ目の研究はギュスターヴ・ルシーがん研究所(フランス)のLaurence Zitvogel氏らが実施したもので、対象は抗PD-1抗体薬による治療を受けた肺がんや腎がん、膀胱がんの患者249人だった。

    このうち治療の前後に抗菌薬を使用していた69人は、抗菌薬を使用しなかった患者と比べて抗PD-1抗体薬の奏効率が低く、生存期間も短かった。

    また、対象患者の腸内細菌叢を調べたところ、抗PD-1抗体薬の効果が認められた患者の69%でアッカーマンシア・ムシニフィラと呼ばれる細菌が検出されたのに対し、非奏効患者でこの細菌が検出された割合は34%だった。

    腸内細菌叢はヒトの体内に生息する膨大な数の細菌で構成され、その多様性が乏しいとさまざまな疾患のリスクが上昇することが明らかになっている。

    今回報告された2件の研究結果を踏まえ、Wargo氏は「腸内細菌叢を調整することでがんの治療効果を高められる可能性が見えてきた」とする一方で、「具体的にどのような腸内細菌叢が望ましいのかなど明らかにすべき点は多く、今回の研究結果のみに基づいて安易にがん患者にプロバイオティクスの摂取を勧めるようなことはあってはならない」と慎重な姿勢を示している。

    米モフィットがんセンターのNikhil Khushalani氏も、腸内細菌叢とがん治療の効果との関係を検討した研究としては、まだ第一段階のものであることを強調した上で、「がん患者の糞便試料を用いて腸内細菌叢を調べることで、抗PD-1抗体薬による治療効果を予測し、がんの個別化医療につなげられる可能性がある」と期待を示している。

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    HealthDay News 2017年11月2日
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  • メトホルミンががん予防につながる可能性 マウス実験で検証、岡山大グループ

    2型糖尿病の治療薬として世界で最も多く処方されているメトホルミンが、がんに対する免疫反応を抑制する制御性T細胞の増殖と機能を抑えてがんの予防や治療に有用な可能性があることを、岡山大学大学院免疫学教授の鵜殿平一郎氏らの研究グループが突き止めた。

    メトホルミンにより制御性T細胞の働きを抑えることで、がん細胞を攻撃する細胞傷害性T細胞の機能を妨げることなく、がんに対する免疫作用を増強する可能性があるという。
    詳細は「EBioMedicine」10月15日オンライン版に掲載された。

    免疫細胞の一種である制御性T細胞は、体に対する過剰な免疫反応を抑える一方で、がんに対する免疫反応を抑制し、がん細胞を攻撃する細胞傷害性T細胞の機能も抑えてしまうことが知られている。

    そのため、がんの予防や治療には、がんの中に存在する制御性T細胞だけを抑制し、がん以外の部分にある制御性T細胞の数や機能には影響を及ぼさないことが理想とされていた。

    研究グループは既に、正常なマウスにがん細胞を移植して作製した担がんマウスを用いた検討で、メトホルミンががんを攻撃する免疫細胞の疲弊を回復させ、腫瘍の塊を縮小させることを見出していた。

    今回の検討でも担がんマウスにメトホルミンを飲料水に混ぜて投与したところ、一般には腫瘍の塊の中で増殖するはずの制御性T細胞(CD4+CD25+T細胞)にアポトーシス(細胞死)が起こり、制御性T細胞の数が著しく減少することを見出した。

    また、制御性T細胞が生存するには本来、エネルギー代謝の過程で脂肪酸を取り込んでクエン酸回路と酸化的リン酸化反応(細胞内で起こる呼吸に関連した現象で、高エネルギー化合物のATPを産生する回路の一つ)に依存している。

    しかし、詳細な解析の結果、糖代謝の改善に働くメトホルミンを投与すると、糖を起点とした解糖系が亢進し、それまで脂肪酸を取り入れて生存していた制御性T細胞の代謝バランスが崩れて、結果的に細胞死に至る可能性が示唆された。

    研究グループは、新しいがん治療として注目を集めている免疫療法は進行期のがんでの奏功率が20%弱にとどまり、自己免疫疾患などの副作用の課題が残されている点を指摘しつつ、「メトホルミンは免疫細胞の代謝バランスを変化させることで、がん局所だけの制御性T細胞を抑制する可能性を示した今回の知見は、今後のがん免疫療法に新しい展開をもたらすのではないか」と期待を示している。

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    HealthDay News 2017年11月13日
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  • 米国のがん患者4人に1人が治療費節約、「勝手に減薬」も

    米国で実施されたがんの意識調査から、高額ながん治療費を節約するため予約日に受診しなかったり、薬剤を半量しか使用しなかったり、治療を拒否したりするなどの行動を取った経験があるがん患者が4人に1人に上ることが分かった。

    調査を実施した米国臨床腫瘍学会(ASCO)の関係者は「高額ながん治療費のために米国民は健康状態だけでなく生命までもが危険にさらされている」と懸念を示している。

    この調査はASCOが調査会社のHarris Poll社に委託して実施されたもの。18歳以上の成人4,016人を対象に7月10~18日にオンラインで実施された。

    その結果、がん経験者またはその近親者の27%に治療費を削減するために必要な治療を省いた経験があった。
    具体的な行動としては「予約日に受診しなかった」(9%)、「治療を拒否した」「処方された薬剤を受け取りに行くのを遅らせたか、受け取りに行かなかった」「処方された薬剤を使用しない時があった」(いずれも8%)、「薬剤を半量だけ使用した」(7%)などだった。

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    ASCOのチーフメディカルオフィサーであるRichard Schilsky氏は「がん治療か、それとも衣食住に必要な出費かという選択を迫られることがあってはならない。治療薬の使用間隔を空けたり、半量に減らして使用したりするなど用量の調整を患者が勝手に行うのは危険だ。しかも、多くの医療従事者はそのことを把握できていない」と警鐘を鳴らしている。

    なお、調査では回答者の多くが米国政府に対してがん治療薬の薬価を抑制する措置を講じるべきだと考えていることも明らかになった。
    例えば、回答者の92%が「メディケアが直接、製薬会社と医療用医薬品の価格交渉をできるようにすべきだ」と考えており、「政府が薬価を規制すべきだ」「国外からのがん治療薬購入を合法化すべきだ」と回答した人の割合もそれぞれ86%、80%を占めていた。

    一方、米国民のがん予防に対する関心は薄く、「政府は予防対策にもっと資金を投じるべきだ」と回答した人の割合は半数に満たなかった。
    このほか、肥満やアルコールががんのリスク因子であることを知っていたのは3分の1未満で、がんのリスクについては認識が低いことも明らかになった。

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    HealthDay News 2017年10月24日
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  • 米国のがん死亡率は引き続き低下、ただし課題も

    米国がん学会(AACR)は9月13日、最新データに基づき米国のがんの概況をまとめた報告書「CancerProgressReport」を発表し、米国では1991年から2014年にかけてがんによる死亡率が小児で35%、成人では25%低下したことを明らかにした。

    しかし、人口の高齢化に伴い今後、新たにがんを発症する患者は大幅に増加することが予測されているなど、多くの課題が残ることも示された。

    報告書によると、米国では近年、がんによる死亡率は大幅に低下し、1991年から2014年までに210万件のがんによる死亡が回避されたと推定されている。

    一方、がんの新規発症数は今年の170万件弱から2030年には230万件まで増加すると予測されているほか、今年1年間にがんで死亡する人は60万人を超える見通しだという。

    AACR会長のMichaelCaligiuri氏によると、今後、新規発症数が増加するのは米国民の高齢化が進むと予測されているためだ。米国で診断されるがんの53%は65歳以上で発症しているが、65歳以上の人口は2016年の約4900万人から2030年には7400万人超に増加すると推定されている。

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    また、報告書ではがん死亡率の低下に加えて前進がみられたポイントとして、2016年8月から2017年7月までに米食品医薬品局(FDA)ががんの新薬9種類を承認し、既存の治療薬8種類についても新たながんへの適応を承認したこと、新薬のうち2種類は複数のがん種で生存率とQOLを向上させることが期待されている免疫チェックポイント阻害薬で、残る7種類は特定のがん分子を標的とする薬剤であることを挙げている。

    さらに、脳腫瘍のより正確な検出や切除の助けとなる新たな造影剤が承認されたこと、予防面では、肺がんの主要な原因である喫煙の対策によって2000年から2015年までに喫煙率が39%低下したことなども、注目すべきポイントとして紹介している。

    一方、HPVワクチンの接種も将来的にほぼ全ての子宮頸がん、多くの口腔がんおよび肛門がんを予防できる対策として期待されているが、2015年のワクチン接種率は女子で63%、男子で50%未満にとどまっていたという。

    米ハーバード大学医学部教授のAnthonyD’Amico氏は、「がん生存率の向上には治療の進歩と検診による早期発見が寄与したのではないか」との見方を示し、「われわれがすべきことは山積しているが、新たな発見を目指した取り組みや、生物学的な理解を深めるための研究および検診などの領域では正しい方向に進んでいるといえる」と話している。

    今回の報告書によると、米国で頻度の高いがん種である乳がんや大腸がん、肺がん、前立腺がんの死亡率はこの10年以上にわたって低下傾向にあるが、脳腫瘍や肝がん、子宮がんなどの死亡率は上昇しているという。

    また、人種や保険加入状況などによる治療格差が継続して認められていることも、課題として挙げられている。

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  • 10秒でがんを検出できるペン型装置を開発

    術中にがんが疑われる組織に当てるだけで、わずか10秒ほどでがんかどうかを特定できるペン型の装置を米テキサス大学の研究グループが開発した。

    同グループは「将来この装置が実用化されれば、手術でがん組織の取り残しを回避できるだけでなく、組織検体を病理検査室に送る必要がなくなるため手術時間を短縮できる可能性がある」としている。
    詳細は「ScienceTranslationalMedicine」9月6日号に掲載された。

    このペン型装置「MasSpecPen」は、物質の化学組成や質量組成を分析できる質量分析計に細い管でつなげて使用する使い捨てタイプの装置だ。
    ペンの先端部分を組織に当てると、小さな水滴が放出され、組織上に約3秒留まる。
    この間に組織から水滴中に分子が溶け込み、再びペン先から取り込まれた水滴が管を通って質量分析計に送られ、コンピュータ画面に分析結果が表示される。

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    今回、乳がんや肺がん、甲状腺がん、卵巣がんの患者から提供された253検体を用いて「MasSpecPen」の精度を検証した結果、感度は96.4%、特異度は96.2%で、全般的な精度は96.3%と極めて高かったという。
    また、甲状腺の腫瘍が悪性か良性かを判別できたほか、肺がんの組織学的なサブタイプも特定できることが示されたとしている。

    研究グループの上席研究員で同大学化学科准教授のLiviaEberlin氏は「乳がんや膵がん、脳腫瘍などは特に周囲の組織に浸潤しやすく、肉眼では正常組織との見分けがつきにくい。
    しかし、この装置を使用すれば、がん組織を残らず切除することが可能になる」と説明。

    さらに、共同研究者でEberlin氏の研究室に所属するJohnLin氏は「この装置は手術時間の短縮にも寄与する可能性がある」と期待を寄せる。
    同氏によると、現在、手術でがん組織を残らず切除できたかどうかを確認するために、術中に組織を病理検査に出す場合が多いが、その間患者は麻酔下で30分待たされることもあるという。

    この装置について、米ノースウェル・ヘルスがん研究所のGaryDeutsch氏は「簡便さだけでなく、精度の面でも価値が高い」とコメント。
    「術中にがんではないと判断された組織が、後に陽性であることが判明し、追加の手術や治療が必要になるというケースを多くの外科医が経験している。

    手術室でこのような強力なテクノロジーを利用できれば、治療に大きな変革をもたらすだろう」と話している。

    研究グループは現在、来年からの臨床試験の開始を視野に入れ、装置を改良するため設計の調整を行っているという。
    なお、実用化の時期については「数年はかかる見込みだ」としている。

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    参考情報:リンク先
    HealthDay News 2017年9月6日
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