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6月 23 2025 がんサバイバーの脳卒中・心血管死リスク、大規模コホート研究で明らかに
がんと診断された人(がんサバイバー)は、そうでない人と比較して心血管系疾患(CVD)を発症するリスクが高いことが報告されている。今回、がんサバイバーの虚血性心疾患・脳卒中による死亡リスクは、一般集団と比較して高いとする研究結果が報告された。大阪大学大学院医学系研究科神経内科学講座の権泰史氏らの研究によるもので、詳細は「Journal of the American Heart Association;JAHA」に5月15日掲載された。
近年、医療の進歩により、がん患者の生存率は大幅に向上している。しかし、その一方で、CVDが新たながんサバイバーの懸念事項として浮上している。CVDはがんサバイバーでがんに次ぐ死因であることが明らかになっており、疫学研究では、CVDによる死亡リスクが一般集団の約2倍であることも報告されている。従来の研究では、CVD全体による死亡リスクが調査されてきたが、特定のCVDに焦点を当てた研究は限られていた。そのような背景を踏まえ、筆者らは「全国がん登録(NCR)」データベースを用いて、国内のがん患者におけるCVDによる死亡リスクを調査するコホート研究を実施した。CVD全体のリスク評価に加え、虚血性心疾患、心不全、大動脈解離・大動脈瘤、虚血性脳卒中、出血性脳卒中といった特定のCVDについても解析を行った。
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郵便番号を入力すると、お近くの治験情報を全国から検索できます。解析対象は、NCRデータベースに含まれる、2016年1月~2019年12月の間にがんと診断された患者とした。対象者の死因は、国際疾病分類第10版(ICD-10)に基づき、死亡診断書に記載された情報からNCRに登録されたコードを用いて特定された。がん患者と一般集団のCVD死亡リスクを比較するため、標準化死亡比(SMR)とその95%信頼区間(CI)を算出した。また、特定のCVDにおいてもがん種ごとのSMRを算出した。
本研究には397万2,603人(うち女性は45.8%)の患者が含まれ、621万2,672人年の追跡調査が行われた。CVDのSMRは2.39(95%CI 2.37~2.41)で、がん患者は一般人口集団と比較してCVD死亡リスクが2.39倍高かった。SMRは男性より女性で高くなっていた。CVD死亡リスクをがん種別にみると、全てのがん種でSMRが1.0を超えて上昇していた。SMRは非リンパ系造血器悪性腫瘍が最も高く(4.32〔95%CI 4.15~4.50〕)、前立腺がんが最も低かった(1.52〔95%CI 1.48~1.57〕)。
次にがん種ごとに特定のCVDのSMRを調べた。その結果、特定のCVDのSMRはがん種によって異なることが明らかになった。虚血性心疾患と心不全では非リンパ系造血器悪性腫瘍のSMRが最も高かった(それぞれ3.15〔95%CI 2.87~3.45〕、7.65〔95%CI 7.07~8.27〕)。虚血性脳卒中、大動脈解離・大動脈瘤、出血性脳卒中ではそれぞれ膵臓がん(5.39〔95%CI 4.79~6.05〕)、喉頭がん(3.31〔95%CI 2.29~4.79〕)、肝がん(3.75〔95%CI 3.36~4.18〕)のSMRが最も高くなっていた。
本研究の結果について著者らは、「がん患者はCVDによる死亡リスクが高く、非リンパ系造血器悪性腫瘍ではその傾向が顕著だった。また、死亡リスクは、がんの種類やCVDの種類によって大きく異なることが明らかになった。特定のがん種と心血管疾患関連の死亡率との関連性を理解することは、高リスク集団を特定し、がんサバイバーに対する長期的な管理戦略の策定に役立つだろう」と述べている。
本研究の限界点については、NCRに記載のICD-10コードはまれに不正確であること、本研究が観察研究であり、がんとCVDの因果関係を確立するできないこと、などを挙げている。
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肺がんは初期の自覚症状が少ないからこそ、セルフチェックで早めにリスクを確かめておくことが大切です。セルフチェックリストを使って、肺がんにかかりやすい環境や生活習慣のチェック、症状のチェックをしていきましょう。
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2月 27 2025 免疫チェックポイント阻害薬治療中の生存率にインスリン分泌能が独立して関連
免疫チェックポイント阻害薬(ICI)による治療を受けているがん患者において、インスリン分泌能が良好であることが、全生存期間(OS)や無増悪生存期間(PFS)の延長に独立して関連しているとする研究結果が報告された。岡山大学大学院医歯薬学総合研究科腎・免疫・内分泌代謝内科の渡邉真由氏、江口潤氏らが行った前向きコホート研究によるもので、詳細は「Frontiers in Endocrinology」に12月11日掲載された。
ICIは種々のがんに対してしばしば著効を示すが、従来の抗がん剤とは異なる副作用があり、糖尿病を有する場合はインスリン分泌能低下リスクのあることが知られている。ただし、糖尿病でないがん患者に関しては、まれに劇症1型糖尿病を引き起こすリスクがあることを除き、糖代謝へどのような影響が生じるのかという点の知見は限られている。
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郵便番号を入力すると、お近くの治験情報を全国から検索できます。渡邉氏らはこの点について、同大学病院の患者を対象とする前向きコホート研究により検討した。解析対象は、2017年6月~2019年8月に進行がんと診断され、ICIによる初回治療が行われた87人。ベースライン以前および研究期間中に糖尿病と診断・治療された患者、および糖代謝に影響を及ぼし得るステロイドが処方された患者などは除外されている。
主な特徴は、年齢中央値(以下、連続変数は全て中央値)が65歳(四分位範囲56~72)、男性67.8%、BMI19.2。がん種は頭頸部がん52人、胃がん19人、その他16人であり、全身状態を0~4で表すECOG PSは0~1(比較的良好なパフォーマンス)が80.5%を占めていた。糖代謝に関しては、HbA1c5.6%、空腹時血糖値97mg/dL、インスリン分泌能を表すHOMA-βが59.4(四分位範囲37.1~85.3)、Cペプチドが1.52ng/dL(同1.01~2.24)、インスリン抵抗性を表すHOMA-IRが1.11(0.72~2.34)であり、腎機能(eGFR)は70.9mL/分/1.73m2(63.5~87.2)と良好だった。投与されたICIは、ニボルマブが78人、ペムブロリズマブが10人、イピリムマブが1人だった(2人は2剤併用)。
ICI投与開始1カ月後、HbA1cの有意な低下(P=0.018)とCペプチドの有意な上昇(P=0.022)が観察され、ICIは非糖尿病患者の糖代謝にも影響を及ぼし得ることが示唆された。
観察期間中に82人(94.3%)が死亡し、OSは中央値7カ月、PFSは同3カ月だった。OSの中央値で2群に分けて比較すると、HOMA-βはベースラインおよび投与1カ月後の両時点で有意差があり、OSが7カ月以上の群のほうが高値だった。その他の糖代謝関連指標の群間差は非有意だった。ROC解析により、OSが7カ月以上であることを予測するHOMA-βの最適なカットオフ値は64.24と計算され、AUCは0.665だった。また、PFSが3カ月以上であることを予測するHOMA-βの最適なカットオフ値は66.43、AUCは0.582だった。
次に、年齢、性別、BMI(最適なカットオフ値である18.58以上)、eGFRおよびHOMA-β(64.24以上)を独立変数、OSの短縮(中央値である7カ月未満)を従属変数とする多変量ロジスティック回帰分析を施行。その結果、BMI(ハザード比〔HR〕0.481〔95%信頼区間0.299~0.772〕)とHOMA-β(HR0.623〔同0.393~0.989〕)の2項目が、OS延長に独立して関連していることが明らかになった。続いて行ったPFSの短縮(中央値である3カ月未満)を従属変数とする解析からは、HOMA-β(66.43以上の場合にHR0.557〔0.339~0.916〕)のみが、PFS延長に独立して関連していることが明らかになった。
著者らは本研究が単施設の患者データに基づく解析であり、サンプルサイズも十分でないことなどを限界点として挙げた上で、「得られた結果は、ICI治療を受ける非糖尿病患者において、インスリン分泌能の高さがOSやPFSの延長に独立して関連することを示している。HOMA-βは、ICI投与が予定されるがん患者の予後予測指標となり得るのではないか」と結論。また、「ICIが膵β細胞機能に影響を及ぼすメカニズムの解明が期待される」と付け加えている。
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