地域活動への参加、ワーク・エンゲージメントと関連――労働者1.4万人を追跡

 ボランティアや地域活動、趣味・学習活動などに参加している人は、仕事にも前向きに取り組めるのだろうか。今回、日本の労働者約1万4,500人を追跡した研究で、地域活動への参加とワーク・エンゲージメント(仕事に関連したポジティブで充実した心理状態)の高さとの関連が示された。特に地域貢献活動(ボランティアや地域活動)では、年数回程度の参加でも関連が認められ、参加頻度が高いほど、ワーク・エンゲージメントが高い傾向が示唆された。研究は産業医科大学産業保健経営学の植月三咲子氏、永田智久氏らによるもので、詳細は5月14日付の「Journal of Occupational Health」に掲載された。

 地域活動への参加は、身体的・精神的健康の向上や幸福感の増加と関連することが知られている。特に高齢者を対象とした研究では、抑うつ症状やフレイルリスクの低下、生活満足度の向上などとの関連が報告されている。一方で、地域活動が仕事にどのような影響を及ぼすかについては十分に明らかになっていない。こうした背景から、著者らは日本の労働者を対象に、地域活動への参加、特に参加頻度とワーク・エンゲージメントとの関連を検討した。

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 著者らは、日本のさまざまな業種で働く20~65歳の労働者1万4,526人を対象に、2022年をベースライン、翌2023年を追跡調査とする前向きコホート研究を実施した。地域活動は「地域貢献活動」と「趣味・学習活動」に分類し、参加頻度を「週1回以上」「月1~3回」「年数回」「参加なし」の4群で評価した。ワーク・エンゲージメントは日本語版UWES-9で評価し、多変量回帰分析を用いて関連を検討した。解析では年齢や性別、世帯収入、業種に加え、職場の社会的支援、仕事の裁量権、外向性、ベースライン時点のワーク・エンゲージメントなどを調整した。

 解析対象は1万4,526人(平均年齢45.2歳、男性57.4%)だった。地域貢献活動への参加頻度は、週1回以上が2.3%、月1~3回が3.8%、年数回が21.2%で、72.7%は参加していなかった。趣味・学習活動については、週1回以上が5.4%、月1~3回が6.2%、年数回が12.7%で、75.7%は参加していなかった。

 多変量解析の結果、地域貢献活動への参加は、翌年のワーク・エンゲージメントの高さと有意に関連していた。具体的には、週1回以上参加する群(B=1.18)、月1~3回参加する群(B=1.01)、年数回参加する群(B=0.46)のいずれでも有意な関連が認められ、参加頻度が高いほど、ワーク・エンゲージメントが高い傾向が示唆された。一方、趣味・学習活動では、週1回以上参加する群のみで有意な関連がみられた(B=0.69)。

 なお、外向性や職場の社会的支援、仕事の裁量権に加え、ベースライン(2022年時点)のワーク・エンゲージメントを調整した後も、これらの関連は維持された。

 著者らは、地域活動を通じた社会的つながりの形成や、自己効力感、楽観性、レジリエンスといった心理的資源の向上が、ワーク・エンゲージメントとの関連に関与している可能性があると考察した。また、外向性や職場の社会的支援、仕事の裁量権などを考慮した後も関連が認められたことから、地域活動への参加とワーク・エンゲージメントとの関連は、性格や職場環境の違いだけでは説明できない可能性が示された。

 一方で著者らは、仕事への意欲が高い人ほど地域活動にも参加しやすかった可能性を否定できないとしており、因果関係については慎重な解釈が必要だと指摘している。

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HealthDay News 2026年6月22日
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